発達障害児支援の資格にはいくつか種類があるのですが、その中でも人気・知名度が高いのが、一般社団法人 人間力認定協会が認定する「児童発達支援士」と四谷学院が認定する「発達障害児支援士」資格です。この2つの資格はツイッターやインスタなどのSNS上で「どう違うの?どっちがいいの?」とよく疑問の声が上がっています。
そこで今回はこの2つの資格を徹底比較していきます!なぜ私にそれが出来るかというと児童発達支援士は私の勤めるマナカルでも一部プログラムが導入されているから、発達障害児支援士は私の知人が受講していたということと資料請求やサンプル動画を見たことがあるからです。私は教育業に10年以上従事しているのでそういった観点からも皆様の参考になる記事になるのではないかと思います。資格取得を迷われている方、是非ご覧ください!
児童発達支援士と発達障害児支援士資格を徹底比較
まずどちらも民間資格だと言う事をはじめにお伝えしておきましょう。資格には国家資格と民間資格がありますが、この2つの資格はどちらも民間資格に該当します。実は発達障害専門の国家資格というものがまだありません。発達障害児が増えていることや、2次障害と言われる不登校、引きこもりなどが増えている現状を見ると今後「発達障害」専門の国家資格が誕生する可能性もあると思います。といってもまだまだ先の話でしょう。
結論的にはどちらの資格もとても良い資格です。その点は間違いありません。と言われてもどっちを受講しようかなと思っている方は困りますよね(笑)なのでここから詳細を部門ごと見ていきましょう。
対象者や難易度の観点から比較
資格が対象としているのはどのような人か!ここってものすごく大切です。名前だけ見てよさそうだなーと思って申し込むのではなく、その資格が自分に適しているかを把握しましょう。また難易度も非常に重要です。難しすぎるのもダメ、逆に簡単すぎるのもダメ。ただ難易度は判断しにくいので、対象者から推測するのが良いでしょう。そのためここでは対象者を見ながら難易度もはかっていきます。
主婦や初級・中級者には児童発達支援士!
実はこの2つの資格は名前こそ似通っているのですが、対象者や難易度は異なるのです。児童発達支援士は初級者から中級者位を対象にしているのに対し、発達障害児支援士は中級者~上級者を対象にしているようです。児童発達支援士を受講される方は以下のような方になります。
- 我が子が発達障害(グレーゾーン含む)で知識を深めたい方
- 教育機関で働いているが、これから発達障害に関する知識を深めたい方
- 発達障害にかかわらず子育てや教育に関する知識を深めたい方
- 児童発達支援管理責任者に将来的になりたいと思っている方
3つ目にあげた「子育てや教育に関する知識を深めたい方」というのは発達障害とは全く関係のない部分になるのですが、なぜこのような方も対象になるかというと、児童発達支援士の資格は2部構成に分かれています。
- 発達障害に関する知識と療育について
- 子供の能力を引き出すためのアプローチについて
ここが発達障害児支援士とは大きく異なる点でもあります。この点についてはこの協会の理念が強く反映されていて、私も他の記事で紹介していますので詳しくはそちらをご覧ください。簡単に言うと、発達障害児の支援をする時に発達障害についてだけ詳しく知っても効果的ではない。そうじゃなく一人の人間として、もっというと動物としてどのような特性がありどう働きかけることでその子の能力を引き出すかを追求した結果この2部構成になったと言う事です。
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発達障害に関する知識や実績がある方は「発達障害児支援士」
上記で紹介してきて分かったように児童発達支援士は初級者・中級者向けの資格でした。それに対して発達障害児支援士は「中級~上級者」向けの資格と言えます。具体的にどのような方にお勧めかまとめます。
- 発達障害児支援をすでにしていて実践力や対応力を高めたい方
- 半年、1年のスパンで集中して発達障害の知識をとにかく深めたい方
- 発達障害の専門家になりたい方
ボリュームという点においては圧倒的に「発達障害児支援士」の方が圧倒的に上です。その分深い知識を得ることが出来るのは間違いないでしょう。四谷学院のホームページでは「週末45分×5か月で習得」と書いてあります。それに比べ児童発達支援士は平均取得期間が1カ月(20~30時間程度)となっています。このことからも専門性を高めるなら発達障害児支援士と言う事がいえるでしょう。
児童発達支援士の口コミをみていくと時折「ボリュームが少なかった」という声もあるようです。そのためボリュームに重きを置く方の場合は、発達障害児支援士の方がお勧めといえます。
最近では書籍などですでに発達障害のことを学んでいるという方も多くなりました。そういった方が資格を取ろうかなと思う時には更なる専門知識を求めているケースが多いと思いますので、発達障害児支援士の方が満足度が高くなるかもしれません。
教材のクオリティ面の比較
クオリティは評価しにくい部分なのでここに関しては私の完全なる個人的な感覚だとご理解ください。そのため参考程度に見て頂く方がいいかもしれません。
私個人的には引き分け!
個人的な感覚と言いつつ、結論が引き分けになってしまいました(笑)どっちつかずですみません。
しかしここは本当に表現が難しいです。というのもクオリティを計るにも「目的」「金額」「年齢層」「男女」などいろいろな要因で評価基準が異なりますよね。だから何とも言えないのです。ただ私個人の印象としては児童発達支援士のクオリティ(内容)は本当に良かったと思います。実際にすべてのテキストに目を通したうえでの感想です。動画コンテンツもありますが、こちらは試験対策用となっているのでプラスともマイナスとも言えない評価です。
発達障害児支援士の方も負けず劣らずです。知人に見せてもらいましたが、ボリューム満点。四谷学院が認定しているだけあって教材も工夫されています。動画では、実際のシチュエーションを想定して作成されているので、イメージもわきやすく具体的な対応方法が身に付きやすいと言えそうです。動画のイメージは発達障害児支援士のHPにあるサンプル動画でも確認ができますので、気になる方はご確認ください。
【児童発達支援士の動画サンプル】
【発達障害児支援士の動画サンプル】
料金(コスト)の面から比較
だいたいの対象者は見えてきたので、次は料金面に行きましょう。なんだかんだ言っても価格は大事でしょう。価格が明確になることでボリュームや質が見合っているかどうかもわかるでしょう。
料金が安く受講しやすいのは児童発達支援士!
まずは下の表をご覧ください。
資格名名称 | 受講料金(税込) |
児童発達支援士 | 37,400円 |
発達障害児支援士 | 109,780円 |
このように児童発達支援士の方が安いですね。先ほども紹介した通り対象者やボリューム感も違うことを考えればこのような結果になることは当然と言えば当然かもしれません。私はこのことからも以下のような考え方が良いのではないかと思います。
- これから発達障害児の学習を始めるならまずは児童発達支援士
- 本格的に専門性を高めるなら発達障害児支援士
発達障害関係の勉強をこれからしよう思っている段階で100,000円はちょっとハードルが高いと感じる方もいることでしょう。そのためまずは児童発達支援士を受講してみて、自分の特性に合うなと感じれば、さらに専門性を高めるために発達障害児支援士を受講するという流れも良いかもしれません。
運営団体から見る比較
資格を取ろうかなと思った時って結構不安になるものです。とくにこれら2つの資格はどちらもオンラインで申し込みをしますし、オンラインで受講が完結するので相手が見えない。だからこそさらに不安が大きくなると言う事があるでしょう。そこで運営団体から見る比較をしてみます。
運営団体の規模が大きいのは発達障害児支援士
もう一度2つの資格の母体を見ておきましょう。
- 児童発達支援士=一般社団法人 人間力認定協会
- 発達障害児支援士=日本発達障害支援協議会(四谷学院)
どちらの団体名を知っていますか?といえばほとんどの方が四谷学院さんでしょう。このことからも母体が大きいのは発達障害児支援士と言えます。児童発達支援士を認定する一般社団法人 人間力認定協会は民間企業ではなく一般社団法人という点がイメージとしてはいいですね。
母体が大きい方が安心できる要素が多いというのも事実ですので、そういった点を求める方は発達障害児支援士の方がお勧めと言えるでしょう。
外部リンク
一般社団法人 人間力認定協会
外部リンク
四谷学院
累計受講者数を比較
次は累計受講者数を比較してみたいと思います。資格取得を検討するうえで、この事項は非常に重要ではないでしょうか?知名度のない資格をとっても意味がありません。当然この2つの資格は発達障害関連の資格の中では知名度が高い資格です。そのうえで、どちらの方が知名度・人気が高いか確認をしていきましょう。
- 児童発達支援士 累計3,700名
- 発達障害児支援士 累計1,000名以上
上記は2021年7月にふたつの団体に質問して聴いた内容になります。児童発達支援士は明確に3,700名ですと答えて頂けました。一方発達障害児支援士は1,000名以上という表現でした。2023年11月に児童発達支援士の受講者数を問い合わせたところ、なんと1万9千名の受講者になったという事です。僅か2年ほどでこれまで増えているとは驚きです。
ただ費用が大きく異なるので、受講者数は値段の安い児童発達支援士の方が多くなるのは当然といえば当然かもしれません。どちらも一定の受講者数はいるという安心感はありますね。人数に関しては下記の記事でも詳細をまとめましたので、是非ご覧ください。
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SNSでの露出の面から比較
TwitterやInstagramでそれぞれの資格名称を検索すると、どちらも多数の口コミが表示されます。批評や批判といったものはほとんど見られませんでした。それよりも「今勉強頑張っています」とか「これから勉強を始めます」というコメントが多かった印象です。
児童発達支援士を運営する一般社団法人 人間力認定協会の公式アカウントは積極的に活動をされているようで、受講者と思われる方や受講を検討されている方にコメントやいいね!を付けているのがわかりました。四谷学院さんも公式アカウントがあり運用されています。
X(旧Twitter)の公式アカウントのフォロワー数(2023年11月現在)
- 人間力認定協会=1894名
(https://twitter.com/ninkyou_jp)
- 四谷学院の療育・発達支援=240名
(https://twitter.com/yotsuya_shien)
このような形でしたので、SNSに力を入れているのは児童発達支援士を認定する一般社団法人 人間力認定協会さんかなと思います。
また一般社団法人 人間力認定協会はInstagramも積極的に運用しているようで、こちらはフォロワーが6653名(2023年11月現在)ほど確認できました。Instagramを通じて学習機会を提供する事をテーマに、短時間で学べる動画やスライドが投稿されていました。
youtubeに関しては圧倒的に四谷学院さんの発達障害児支援士の方が充実していました。沢山の支援動画がアップされており、動画コンテンツに強みを持っているということがはっきりとわかります。下記にyoutubeの画像を紹介します。
SNSでの露出が多いから良い、悪いという判断は出来ませんのであくまで一つの目安としてみてください。SNSを積極的にやっているのは、サポートがしっかりしていそう。最新情報も得られそうなどのメリットが挙げられるでしょう。そのためただ資格を取得してそれで終わりという考えではないのだろうと思います。
【まとめ】児童発達支援士と発達障害児支援士資格を徹底比較
いかがだったでしょうか?
人気の資格2つを比較してみました。この記事を参考にご自身にあった資格を選択してみてください。私はどちらの資格であれあなたが受講されることを期待しています。それが全国にいる発達障がい児およびこれから生まれる子供たちのためになると思っているからです。発達障がい児支援のはじめの一歩は理解をすることです。理解が支援の第一歩なのです。むしろ社会全体が発達障害に対して適切な理解が出来るようになれば「支援」すらいらなくなるでしょう。目指すはそういった世界です。
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外部リンク
発達障害児支援士|公式サイト