子供(発達障害児)とのコミュニケーションを円滑にする3つの方法

子供とのコミュニケーションに悩む保護者は割と多いものです。「我が子とのコミュニケーションで悩むの?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、私が教育業で保護者のお話を伺っていると割と多いご相談内容なんです。この悩みは発達障害児かそうでないかに限らず発生しているようです。

そこで今回は子供とのコミュニケーションを円滑にする3つの方法について紹介します。

3つの方法とは?

いつも通り結論から紹介します。子供とのコミュニケーションを円滑にする3つの方法は以下の通りです。

  1. 子供を子ども扱いしない
  2. 話しかける前に子どもの世界に入る
  3. 話しかける前に子どもを誉める

この3つとなります。ありきたりだな!と思われた方。ちょっと待ってください。では私に代わって、それぞれなぜそうすることによって子供とのコミュニケーションが円滑になるか説明できますでしょうか?もしできそうであればこの先はお読みいただかなくても問題ないかもしれません。

新しいことを知る時にとても大切なことは、

「自分は無知なんだと自覚して学ぶ事」

実際に無知だなんて思っていませんよ。皆様も日々沢山の情報を目にして実践の場でも試していることでしょう。しかしそうであったとしても、無知であると自覚して新鮮な気持ちで情報を得るほうが学びは深くなります。これは学びの鉄則です。それではひとつひとつの解説をしていきます。

子供を子ども扱いしない

子供だからと言って見くびってはいけません。

とある本にこのような一説がありました。

「人間は脳の成長に体が追い付いていない唯一の動物である。
子どもの脳も大人と同じように成長しているが、体が小さいことで劣っているような扱いを受ける」

私もこれはその通りだと思います。皆様も子供(5歳前後)の子供を見て、「ずる賢いな」とか「よく観察して動いているな」などと感じたことは無いでしょうか?きっとあるはずです。5歳というと身長110cm程の小さい体。顔もまだまだあどけなく出来ないことも沢山。

だからと言って、子ども扱いしてはいけません。子供扱いをすることで過保護や過干渉になりやすくなり子供の可能性にふたをすることになります。

また子供扱いされている子供の気持ちはどうでしょうか?

「どうせ僕が何言っても、ママはこういうから言わなくていいや」
「きっとパパがやってくれるからいいや」

このようになると思いませんか?立場を変えて私たちも同じです。職場の先輩が常に自分を新人扱いして過保護にしてくれていたらいつでもその先輩に頼って、自分で率先して何かをしていこうとは思わないでしょう。それと同じように、子供を子ども扱いしていくと、子供の口数や積極性がみるみる減退していきます。子供とのコミュニケーションを円滑にするために、保護者や指導者は対等の関係で子供に接する必要があります。いつも年上の私たちの意見が正しいと思いこむと、子供の意見が入るスキがなくなります。毎回否定されていると、子供は話さなくなります。

よく保護者からの相談で

「うちの子、自分から何か意思表示をするのが苦手で」

と仰る方がいらっしゃるのですが、その場合たいていは保護者の過保護が見受けられます。第三者的に見ていると「そこまでお母さんが手を出し、口を出していたらそりゃ子供は何もしなくなるよ」と思えるのですが、当事者というのはなかなか気づかないものです。子供が学校で発表できない。子供が友達に意志表示できない。このようなお悩みをお抱えの方、是非一度子供を子ども扱いしていないか冷静に見てみましょう。そして過保護や過干渉になっていないか見てみましょう。何か気づきがあるかもしれません。

過保護や過干渉になると子供の発言や積極性が減退します!

話しかける前に子どもの世界に入る

先ほど紹介した子供を子ども扱いしないというのは、根本的な考え方や接し方の部分になるのですが、「話しかける前に子どもの世界に入る」という方法はテクニックに近いものになります。次に紹介する「話しかける前に子どもを誉める」も同様です。どちらもやり方はとってもシンプルで今日から実践できますのでやってみてくださいね!

例えば子供がゲームに興じているとします。ゲームに没頭している時って全然こちらの言葉が響かないですよね。何度「〇〇!」と名前を呼んでも、全く反応しないこともあるでしょう。そして3回目くらいに保護者の怒りが怒鳴り声となり、ようやくそこで子供が気づくというパターンがよくあります。特に発達障害の特性を持つ子の場合はこういうケースが多くなるでしょう。またどちらかといえば男の子もこのパターンに当てはまることが多くなると思います。

そんな時にはとっても簡単な次の方法を試してみてください。

「〇〇!」と呼びたい時には、そっと隣に近づいていき「え、今何やっているの?」と優しく興味深げに話しかけます。すると子供は「今このゲームでこういうことをやっていてね」と話し始めます。数十秒その話を聴いてあげて間が空いたら「そうだ!〇〇、今からスーパー行くから・・・」とこちらの要望を伝えます。

これだけです!

本当にこれだけですが、子供の耳にスムーズに声が届き、子供の行動が変わる可能性が非常に高まります。

今まで「〇〇!」とただ呼んだときは、子供は無視しているのではなく「耳に届いていない」のです。聞こえていないのも同然です。声をかける大人側は3回もなまえを呼んだのに無視した!という認識になりますが、子供としては突然起こられた!という認識になります。これではうまくいくわけもありません。まず大切なのは、あなたの声を耳に届けることです。このポイントをしっかり押さえたうえで次の項目をご確認ください。

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子供は意図的に無視しているわけではありません。子供の耳に声を届けるということを意識しましょう!

話しかける前に子どもを誉める

先ほどの項目で子供の耳に声を届ける重要性がお分かりいただけたかと思います。そして最後にこれです!

「誉める」

最後にしてありきたりな結論になりましたが、やはりこれは効果があります。実は「誉める」という行為は相手を動かすためにとても有効なのです。そのため対等な関係を築こうと思えば、誉めるではなく承認をするにとどめるべきなのですが、子供を次の行動に促したい時や良い行動に誘導したい場合はこの「誉める」がとても有効になります。

例えば先ほどと同じ例で、子供がゲームに興じている時には、そっと近づき「え、今何やっているの?」と優しく声をかけ、子供が自分なりに説明を一生懸命した後に「凄いな~、お母さんは全然詳しくないから勉強になるよ!」や「そうなんだ!〇〇、説明が凄い上手だね!」などと誉めてあげましょう。白々しくならないように演技してくださいね。子供はそのあたりに敏感なので。

こうすることでかなりの確率で、その後のこちらの要望を飲んでくれるようになります。

また子供がお手伝いなどをしている時にもこの方法は意識してください。例えば、子供が食事の準備を手伝ってくれていたとします。でもちょっとした不注意で運んでいたお茶をこぼしてしまったとしましょう。この時に「こら!しっかり見て運びなさいって言ったでしょ!!」などといってしまいがちですが、それはちょっと酷な話ではないでしょうか。せっかく善意で手伝ったのに失敗して怒られた。その子は今後どうするでしょうか?手伝うことをやめますよね。怒られるくらいならやらないほうがいいと思うのが普通です。すると保護者はその姿を見て今度は何というでしょうか?

「ちょっとくらい手伝いなさい!」

もう子供としてはたまりませんね(笑)この様子というのは日本の多くの家庭で観られる光景ですから、皆様の所だけではありません。ご安心ください。

このような時にも、一言誉め言葉を挟んであげれば自体は180度違う方向に向かうでしょう。お茶をこぼしてしまった時に「お茶を拭こうね、でもお手伝いしてくれてありがとう!次はどうしたらこぼさず運べるか考えてみようよ」このように言えたら理想ですね。当然こちらも感情があるのでそんな冷静に言ってられないよ!という皆様からの突っ込みも理解できます。しかし、感情に任せていては子供の心は離れていってしまいます。そうならないようにするためにも接し方をちょっとだけ変えてみましょう。

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【まとめ】子供(発達障害児)とのコミュニケーションを円滑にする3つの方法

いかがでしょうか。特段目新しいことではなかったかもしれませんが、実践することが難しい内容ですよね。

実践が難しいということはそれだけやる価値があると言う事です。今まで出来ていなかったことにチャレンジする姿勢を大人が見せることで子供も積極性やチャレンジ精神が生まれます。大人の姿を子供はよーくみていますので、子供にチャレンジ精神を求めるならばまずは大人から。そしてコミュニケーションを円滑にするためには、感情任せにいくのではなく、相手の感情を理解したうえで自分の行動を柔軟に変えていきましょう。