今回はコミュニケーションを円滑にする方法を紹介します。子供に何かを伝える時、なかなか伝わらなくて「もー!」と感じたことありますよね。発達障害児を育てている親御さんは特にそういった経験を多くされていると思います。そんな時、「大和言葉(ひらがな言葉)」を使うとうまく伝わることがあります。伝え方を変えるだけで今抱えているストレスから解放されるかもしれません!
大和言葉とは?
「大和言葉(やまとことば)」は「日本で生まれた日本古来の言葉」を指します。もう少し分かりやすく言うとひらがなで書くか、漢字の場合は「訓読み」をする言葉のことです。逆に音読みをするもの(漢語)やカタカナで表現する言葉(外来語)は、大和言葉とは対極にある言葉になります。
- 大和言葉・・・始める、終わる、歩く、動く
- 漢語・・・開始、終了、歩行、動作
このような違いがあります。これが大和言葉です。まずは大和言葉がこういうものだと理解をしましょう。
なぜ親の話が子供に伝わらないのか?
皆様はアフリカで使われるズールー語を、話すことも聞いて理解ことも出来ないでしょう。テレビでアフリカの人気NO.1コメディアンがズールー語で現地民の爆笑を取っていたとします。しかしあなたは笑うことは出来ません。それは、ズールー語が分からないから。何を言っているかわからなければ、どんなに面白い話をしていたとしても笑うことは出来ません。
「そんなの当たり前だろ!」と思われるかもしれません。しかしここで大切なのは、『わからない』状態だと面白い話も面白くないということです。そう考えると日本語でも同じことが発生します。大事な話や面白い話をしていたとしても、意味が分からない場合はまったく伝わりません。親と子の間には天と地ほどの語彙力の差や経験の差があるのは事実です。大人が言った内容が伝わらなければ子供はそれに伴った、行動を起こすことは当然出来ないのです。
よく「子供が無視する」という事に悩みを感じられる保護者の方がいらっしゃいますが、私はそのような方に2つのことを確認します。
- お母様の声は子供に届いていますか?
- 子供が理解できる言葉で話していますか?
どちらも出来ている状態であれば、子供へのしつけを検討する必要がでてきます。しかしどちらかが欠如しているのであれば、それは保護者の話し方を変える必要が出てくるという事です。ちなみに①を改善するための方法は下記の記事で紹介していますので、是非ご覧ください。
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話を聴くときに平仮名で聞いている!
上記でお伝えした内容がわかりやすい話し方をするための第一段階だと思ってください。そのうえで次に来るキーワードは「人はひらがなで話を聞いている」という事実です。話し言葉を聞くときには、一音ずつ聞こえてくるため頭の中では、
「きょうは こうかのある べんきょうしゅほうについて はなします」
このように捉えています。最初から漢字で聞くことは出来ません。例えば『こうか』という言葉。上記のように全文を把握した上であれば『効果』のことだなとわかります。しかし話し言葉を聞くときには「き・ょ・う・は・こ・う・か」と一音ずつしか把握が出来ません。そのため『効果・高価・工科・硬貨・硬化・高架・降下』など何を意味するかが掴めません。子供は記憶している熟語の数も少ないため余計に理解が難しいのです。また「こうか」の次に続く言葉の意味が不明確だった場合には、『こうか』がいつまでも変換できないこととなります。話の流れを汲んでどこかで理解できたとしても、その間の話の内容が頭に残っていないことが多いのです。『こうか』の意味を探し続けていたのですからそれもそのはずです。
このようなことから、ズレが生じ始めます。話し手はすべて大切なことは伝えきったと思っていても、子供の頭の中で適切な漢字に変換する作業が間に合わず、途中で話を見失ってしまっていることが往々にしてあるのです。特に知識がある大人から、知識の少ない子供に伝える場合は、話し方を意識しないとこのようになる可能性が高くなります。では、人間がひらがなで話を聞くことを理解したうえで、話し手はどのような話し方をすればよいのでしょうか。それが『大和言葉(ひらがな)で話す』ことです。
大和言葉を使った例
具体的な内容を確認していきましょう。次にあげるAとBの言葉をそれぞれ比べてみてください。わかりやすいのはどちらでしょうか。
まずは話し言葉で下記の言葉が音になっていることを想定して比較しましょう。
A:聴覚、悲報、結合
B:耳で聞く、悲しい知らせ、合わさること
いかがですか?音で聞いた場合にどちらの方がわかりやすかったでしょう?
では次の質問です。上記のAとBをパッと見た時にすぐに意味が分かるのはどちらでしょうか。見た時にすぐに意味が分かるのは、Aだと思われた方が多いのではないでしょうか。漢語は表意文字(ひとつひとつの文字が意味をあらわしている文字体系のこと)なので、パッと見で素早く意味を把握できるのです。
一方、耳で聞いた時にわかりやすいのはBの大和言葉となります。それは漢字に変換する量や難易度がAより低いからです。つまり目で見てわかりやすい言葉と、耳で聞いてわかりやすい言葉は違うということです。文才はあっても話を聞くと分かりにくい。話は分かりやすいんだけど文章にするとあまり上手ではない。ここまでのことを踏まえると、この特性の違いも理解が出来るでしょう。
大和言葉(ひらがな)は耳で聞いてすぐにわかるので、話をする時には積極的に活用されるとよいでしょう。二字熟語や四字熟語、専門用語をふんだんに使うと、賢明さをアピールできるような気がするので、使いたくなる気持ちもあるのですが、子供には効果的だと言えません。本当に優秀な人は、相手によって話し言葉を選べる人でしょう。
相手が大人の場合は?
今回は記事の性質上、相手が子供だった場合は大和言葉を使うと良いという話をしましたが、実際には大人に対しても大変有効な話し方になります。ビジネスの世界では横文字を使った方がかっこよく出来るビジネスマンのような感じがしていますが、それは自己満足としか言えません。ビジネスの目的は「利益を生み出すこと」です。利益を生み出すためには「人」を動かす必要があります。お客様だったり、従業員だったり、取引先だったりといろいろなパターンがありますが、共通して言えることは人間であるということ。
つまり多種多様な人の心を動かすことが重要になるのです。その時に自らのカッコつけだけを意識して横文字をすごく使ってくる人と、自分の知識レベルに合わせてかみ砕いて話をしてくれる人であれば当然、後者の人の方が人気が出るのではないでしょうか?
しかし先ほども紹介したように、話し言葉と書き言葉で使い分けることをお勧めします。書き言葉で大和言葉を使いすぎると、文章が長くなりがちで、結論が見えにくくなってしまいます。それこそ「この文章を書いた人は頭悪いな」と誤解されることもありえます。そのためこの記事でも大和言葉よりも漢語や外来語を多用していることがわかるかと思います。ただ書き言葉と言えども、あまり普及していないような熟語や外来語を使うのはお勧めしません。最近は「エビデンス」や「ベーシックインカム」などと言う言葉をよくニュースでも目にしますが、正確な日本語訳出来ますか?なんとなーくで意味を捉えていませんか?その何んとなくの認知と言うのは、人によって微妙に異なります。そのためニュアンスがずれた状態で伝わることがあるため注意が必要でしょう。
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【まとめ】子供に伝える時には大和言葉を使うとコミュニケーションが円滑になる!
いかがだったでしょうか。今回はコミュニケーションをとる時には大和言葉を使うと伝わりやすいというお話をさせて頂きました。慣れるまではいつも通りの話し方に戻ってしまうかもしれませんが、意識をしていれば案外すぐに修正できるものです。大和言葉をつかえるようになることで、子供にものごとを伝えやすくなるだけでなく、伝える側のストレスも軽減されるのではないでしょうか。
大和言葉を上手に使われている方として、池上彰さんが挙げられると思います。漢語や外来語を大和言葉に変換して説明する能力がピカイチ高いなーと感じる方です。是非テレビやyoutubeで池上彰さんの話し方を研究してみてください★
最後までご覧いただきましてありがとうございました。
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