発達障がい児や障害者はどんな働き方が向いているのか?

発達障害や身体的、精神的、知的な障害を持つ方はどうしても「就職」という面で不安を抱える方が多いのではないでしょうか?この記事を書いている私は身体障害を生まれつき持っているため、初めて就職をした時はとても多くの不安がありました。また、転職もいくつか行っています。その実際の体験談を交えながらどのような形で働くのが良いのかご紹介していきたいと思います。

様々な形で働くことができる

まず、働くと言っても現代では様々な形式で働くことができます。一般的な会社に通勤し働く形(障害者雇用も含む)、コロナ流行後からよく聞くようになった自宅で仕事を行う在宅勤務(テレワーク)、少し変わりますが就労継続支援サービスなどが挙げられます。これらの中から自分に合いそうな働き方を選び決めていく必要があります。

私は最初、障害者枠で事務職へ就職しました。ですが、通勤先が遠く通勤時間がストレスになる、職場の人はとても優しかったのですが、直属の上司という存在がいない事による不安など様々なことから退職することになりました。

そして、次も障碍者雇用で事務職へ就職しました。比較的距離が近かったのですが、その時は完全に「障害者」として扱われてしまうことや、一部の人から明らかに嫌そうな目で見られることがあり、そこにストレスを感じていました。障害者として扱われることに対しては人によってどう感じるかは変わると思います。仕事内容としては簡単な物が多く、少しずつ色々な事を出来るように教えてもらっていた為、すごく助かりました。ですがその後、やはり人間関係のストレスで退職をしました。

その後、現在の会社に就職をしたのですが、ここでは私を「1人の人間」として接してくれています。障害を1つの個性として見て、苦手な事や出来ない事はあっても得意な事を任せてもらえました。自分を受け入れ認めてくれたことや、任せてもらえたことなどが自信となり、今も続けることができています。そして現在は、リモートワークを中心として自宅から仕事をしています。

この環境はとても仕事がしやすく、体調が崩れても心配事は少ないですし、非常に助かっています。長い時間がかかりましたが、私自身が働きやすい環境で働くことができています。ですがリモートワークができない、苦手という方もいますので一概にこれが良いとは言い切れません。そのため、私のような例もあることだけ覚えてもらえると良いかと思います。

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障害者枠(オープン就労)と一般枠(クローズ就労)について

自分の障害を企業に対して伝えて働くことをオープン就労、伝えずに働くことをクローズ就労と呼びます。この2つのどちらを選んでもメリットとデメリットがあります。

障害者枠の場合は障害を伝えるため、通院や障害に影響が出やすい業務は避けたり、労働時間の調整をしてもらえたりと配慮を受けやすく、負担を減らした働き方が可能となっています。ただ、デメリットもあり、給与が一般枠に比べて低い、行える業務が少なくなってしまう、そもそもの求人数が少ないことなどが挙げられます。ですが、企業によっては該当しないこともあります。ハローワークへ行くと、障害者枠の求人などを確認できますので、しっかりと確認することが大切です。

一般枠の場合は障害者枠と比べて、様々な業務を行えるため給与が高い傾向にあります。また、求人数も多くありますので豊富な選択肢があります。デメリットは、基本的に障害を企業に伝えないので、配慮を受けづらいこと、倍率が障害者枠に比べて高く採用のハードルが高い、障害を隠していることに対してストレスがかかりやすいなどが挙げられます。障害を隠していることへの罪悪感から無理をしてしまうことや、配慮を受けられないことから負担が高く、心身ともに疲労がたまってしまい悪化してしまうケースもあります。

どちらが合っているのかはその人の障害の重さや、性格、環境などで大きく変わってきます。ですので、自分には配慮が必要なのかどうか、どれだけ給与がもらいたいのか、何がしたいのかなどを考えて決めていく必要があります。もちろん1人で悩む必要はありません。お住まいの地域に相談窓口に行ってみたり、職場適応援助者(ジョブコーチ)を使用したり、障害者就業・生活支援センターに話を聞きに行くなど様々な選択肢があります。また、就労移行支援などを利用することも視野に入れてみてはいかがでしょうか?

就労移行支援と就労継続支援とは

就労移行支援は一般企業への就職を目指す障害を持つ方へ、就職に必要な知識やスキルアップのサポートが行われます。雇用契約や工賃(賃金)は基本的に無く、年齢は65歳未満が対象となっています。就労移行支援を利用して、基本的なマナーや挨拶などの基礎的な訓練から職場の見学・実習、トライアル雇用、そして就職後のアフターフォローまで受けることができます。就労継続支援は現時点で障害や難病などによって一般企業への就職や就労移行支援の利用が困難な方を対象としています。障害の状況や体調などに合わせて働くペースを整えながら働くことで、就労に必要な知識や能力などを向上させながら仕事などを行うことができます。

こちらは「A型」と「B型」の2つがあり、大きな違いとしてA型は雇用契約を結びますが、B型は結びません。そのため工賃(賃金)にも差が出てきます。また、A型は65歳未満、B型は年齢制限なしと年齢による違いなどもあります。ご自身の今の状況に合わせて選ぶようにしましょう。

自分の特性を伝えることが不安

面接時に障害を持っていると相手に伝えるのはとても不安だと感じる方は多いのではないでしょうか?私も学生時代にアルバイトの面接で、それを理由として断られたこともありますし、就職の面接時にも伝えて嫌な目をされたこともあります。

それでも伝えて良かったと思えることがあります。それは、自分の障害を相手に伝えた時に受け入れてもらえると、すごく安心できるからです。自分の得意なことや苦手なこと、出来ないことや、体調面での心配事など人それぞれ心配や不安なことは違います。ですが、それを受け入れてもらえた上で就職することができると、普段から仕事をする時の精神状態が全く違います。

受け入れてもらえてない時は常に何かあったらどうしようと不安が心の中にあります。受け入れてもらえた場合は、何かあっても大丈夫!と思いながら仕事に向き合うことができます。

この2つの精神状態で例えば体調を崩してしまった時を考えてみるとその後の動きが大きく変わると思いませんか?受け入れてもらえてない場合は、嫌な目で見られてしまう、自分が働けなかった分誰かに負担をかけてしまったことで、自分を責めてしまう。そして精神的に負担がかかってしまい、そのまま少しずつ仕事ができなくなり退職、その後も精神的ショックが抜けないなどが考えられます。

ですが、受け入れてもらえてる場合は、まずはしっかり休むことができます。その後、仕事に復帰しやすい、休んでる間支えてもらった分を取り戻そうと考えることができます。私は少しずつこの考え方ができるようになりました。

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【まとめ】発達障がい児や障害者はどんな働き方が向いているのか?

私の体験を交えながら働き方を紹介してきました。

結論としては、「どの働き方でも本人がストレスなく働けるならどれでも良い」と言えるでしょう。ですが、合っている働き方を本人だけで探すのはとても難しいため、相談窓口や就労移行支援などを利用するようにしましょう。「発達障害者支援センター」や「障害者就業・生活支援センター」、ハローワークの「障害者関連窓口」など様々な機関で相談することができます。

毎日を少しでも楽しく、笑顔で過ごしていけるように自分に合った働き方を探していきましょう!

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