子供をお持ちの方であれば、「うちの子、コミュニケーションが下手で」「何を言いたいのか全然わからない」「人の話を全く聞けなくて困る」このようなお悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。逆にうちの子はコミュ力抜群で何の問題もありません!という家庭の方が少ないでしょう。
人生を楽しく生きるうえで最も大切ともいわれるコミュ力。実は、生まれつきの能力ではなく、訓練によって高めることが出来るのです。ただし正しいアプローチをしなければ、生涯コミュ力は伸びなくなる。。。と言う事もありえます。一緒に正しいアプローチ方法についてみていきましょう。
子供のコミュニケーション力が低い理由とは?
コミュニケーション能力というと、どこか生まれつきだと考えたり、子供の持つ性格だと考えてしまう方がいらっしゃると思います。しかし、結論を申せばそれは確実に誤っています。
同窓会で久しぶりに会った知人が、学生時代とは全く違った印象になっていることってありませんか?学生時代はおとなしかったのに、今では経営者となり、熱く人に語れるタイプになっている。このような事は、コミュニケーション能力が先天的ではなく、後天的に培われていくものだという証拠になります。
つまり、現時点でお子様のコミュニケーション能力があまり高くないとしても、それは訓練によっていかようにも変わっていくのです。しかし、現時点でコミュニケーション能力が高くないと言う事は、この先も今と同じ考え方、アプローチの仕方では、お子様のコミュ力は高くならないでしょう。それどころか、コミュニケーション力を上げようと親が必死になればなるほど、子どもはコミュニケーションが嫌いになってしまう可能性があります。保護者の皆様の、目的をかなえるためにも一緒に”正しいアプローチ”を確認しましょう。
なぜコミュニケーション能力の高低が分かれるのか?
そもそも、コミュニケーション能力が高い子と低い子がいるのはどうしてでしょう。まずこの前提にはコミュ力は、「訓練で伸びる後天的要素である」ということを再認識してください。
そのうえで、なぜかという答えを言うならば、
「コミュニケーションをとることが嫌いだから!」
結論は、シンプルこれだけです。
コミュニケーションをとることが嫌い(苦手)だと思っている子は想像以上に多くいます。しかし、不思議に感じる事はありませんか?恐らくほとんどの子どもが2歳や3歳くらいまでは、自己主張の塊で、どんどん話しかけてきたと思います。その頃から無口だったという子は少ないでしょう。
しかし、なぜか幼稚園、そして小学校に上がったとたんに話すことにためらいを感じたり、コミュニケーションを積極的にとらないようになってします。本当に不思議なことです。これは子供が「コミュニケーション=嫌いな事」と意味づけていることが根本的な原因なのです。
なぜそれが小学校に上がったとたんに訪れるのか。そう、それは学校で「この問題わかる人!○○君どうだ?」と強制的にあてられて、起立しもじもじしながら「・・・わかりません」という。すると周りの友達から失笑が漏れる。またはこんな経験もあるでしょう。友達と遊びたくて放課後遊ぼうよと誘ったら、「今日、無理!じゃあね」と言われた。
保護者からするとそんな理由!?と思われるかもしれませんが、皆さんも同じです。社内の会議で、上司から指名されこたえられなかったら恥をかく。好きな異性に食事に誘ったら断られて凹んだ。すると次回から、会議や異性を食事に誘うのが一般的には苦痛に感じてくるでしょう。
しかし、逆に考えてみたらいかがでしょうか?つまり、問題に答えられて皆から拍手喝さいを浴びた。友達を誘ったら、喜んでくれた。会議で表彰された。異性とお近づきになれた。すると、今度はそれらの出来事に対して肯定的なイメージがついて、今後も同じように頑張ろうと思えるではないでしょうか。
つまり、コミュニケーション能力に限った話ではありませんが、何かの能力を高めようと思ったら、まずは「好き」になることが大切です。ただし、普通の生活をしていると、コミュニケーションを「好き」になるきっかけはなかなかつかめません。学校では特に、成功体験より失敗体験の方が多くなります。その結果、子供が話すことに対して、消極的になり場数を踏めなくなる。だからコミュニケーション力が低くなる。
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コミュニケーションをとることが”好き”と思わせる工夫
根本的な原因は「失敗体験により、コミュニケーションが嫌いになった」と言う事がわかりました。では次は、その嫌いになったコミュニケーションを「好き」に変換させるための工夫を見ていきましょう。
これは案外簡単です。今回も先に結論だけ申しましょう。
コミュニケーション好きにさせるには、脳を「快」にするだけ!
結論をもうしたつもりですが、ちょっとあいまいですね。というか「脳を快」ってどういうこと?と感じるでしょう。でも、シンプルです。
人間は何かを習慣化させようと考えた時に、脳が「快」だと感じたことしか習慣化はさせないようになっています。当然と言えば当然のメカニズムです。わざわざ「不快(気持ちの悪いこと)」を習慣にしようなどとは思わないものです。
そのため、たばこやお酒などの脳に快を与える物は、無意識でも習慣になってしまうのです。気持ちのいいことは習慣にする。気持ちの悪いことは習慣にしない。分かり易いですね。
コミュニケーション能力の向上のために最も大切なのは、コミュニケーションを好きになり場数を踏むことです。特別な練習方法というよりも、場数がどれだけ踏めている可能方が大切。1日に5分くらいしか話さない子と、1日に2,3時間は話している子では雲泥の差が出るのは明白です。比較的女性はお話が上手なのも、男性よりもアウトプットがお好きなので、場数を踏んでいるのです。
家庭で子供にコミュニケーションを好きになってもらうための策としては、
- 子供の話を真剣に正面から聞く!
(何かしながらではなく、手を止めてしっかり聴く) - 話を途中で遮らない!要約しない!
(子供の言葉をしっかりと受け止めましょう) - コミュニケーションに関することを積極的に誉める
(分かり易い説明だね!なるほどそういうことか、凄いな!など) - 意味もなく、子供が何かを話し終わったら拍手する!
(意味づけの必要はありません。拍手をするだけで承認された感覚が芽生えます)
いかがでしょうか?うさん臭さを感じましたか?(笑)でも最後の拍手は結構効果的なんですよ。これ嘘だと分かっていても絶対に嫌な気持ちにはなりません。例えば今私とあなたが2人きりでいたとして、あなたが私に自分の子育て論や仕事論を語ったとします。私は最後まで真剣に話を聴いて、聞き終わったら大きな拍手を笑顔でする!笑顔かつ大きな拍手!これやられてニヤつかない人はお目にかかったことがありません。
疑似体験でもいいのです。脳は「コミュニケーション=気持ち良いこと」と認識し始めます。当然1回だけでは効果が薄いので継続あるのみです。
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コミュニケーション力をグングン高める練習法
ここまでで、お子様はコミュニケーション嫌いから、コミュニケーション好きに変貌できたでしょう。これでようやく土台が出来たと言えます。土台が出来たら次は具体論です。
コミュニケーション力と一口に言っても、さまざまな力があります。論理的に話せる力、活舌よく話せる力、話を聴く力、話を要約する力など様々です。
このひとつひとつについては、また別の記事でトレーニング方法を紹介したいと思いますが、今回は一つだけお伝えしたいと思います。
本読みが出来る子は賢い子。本読みが上手になる方法!
絶対にそうとは言いませんが、小学校の時のイメージで本読みが上手な子って、賢い子が多くありませんでしたか?多少でもそのイメージに共感頂けたのであれば、今すぐにでもお子様を本読みのプロにしましょう。というのも、その共通イメージが皆にあるとすれば、本読みが出来ない=賢くない子と思われて、生活することになります。このマイナスイメージを他者からつけられると、それが真実ではなかったとしても、性格形成にかなり影響を及ぼします。そのため、今すぐに手を施しましょう。
本読みが上手になるためには、簡単。ルールがあります。
親がまず2回読む。そして子供に1回読ませる。
コメントは不要なので、読み終えたら拍手だけ笑顔でする。
以上です。これだけで本読みは間違いなく上手になっていきます。さらに「コミュニケーション=好き」が継続できます。間違っても「こうやって読みなさい!」や「そこ違うよ」と言わない事。ミスや出来ていないところを指摘してもどうもなりません。その点は、子供が自ら気づき、自ら直すように促すのです。そのために親が先に2回読むのです。
ルールの中でもっとも大切な一文を忘れていました。
毎日10回上記を繰り返すこと。
はい、苦しいですね。わかります。本当にきついです。仕事をして、送迎して、料理作って、洗濯たたんで、お風呂入れてとしているお母様のどこに10回もやる時間とパワーがあるってんだ。って話ですね。
ただ非常に重要なので、出来ればお母さんがやってほしいです。なぜなら子供が一番好きなのは、他でもないお母さんだからです。お母さんがどんだけ怒鳴っても、結局子供はお母さんのもとに戻っていきます。そんなお母さんが誉めてくれれば、「コミュニケーション=好き」となりやすいわけです。
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【まとめ】子供のコミュニケーション力が低い理由とは?
以上で、子供のコミュニケーション力が低い理由とは?という解説を終わります。コミュニケーション力は、人生を輝かせるためにとても重要なスキルです。是非お子様に対してのアプローチを今日から行ってみてください。