発達障害を持つ方はその特性により、様々なことで辛い経験をされた方が多くいます。その時にストレスの発散の方法が分からなかったり、相談できる相手がいなかったことがいなかったことで辛い経験として残ってしまってることが多くあります。
今回はそのようなことを少しでも減らすために、発達障害とメンタルヘルスの関係性や、発達障害を持つ方におすすめのメンタルヘルスケアの方法などを紹介していきたいと思います。
メンタルヘルスとは
まずはメンタルヘルスについて改めて確認していきましょう。
「メンタルヘルスとは体の健康ではなく、こころの健康状態を意味します。体が軽いとか、力が沸いてくるといった感覚と同じように、心が軽い、穏やかな気持ち、やる気が沸いてくるような気持ちの時は、こころが健康といえるでしょう。」
メンタルヘルスが好調な時は自分の力を発揮できたり、積極的に動いたりしますが、ストレスが溜まってしまったり、不調な時は気分が沈んだり、落ち込んだりすることがあります。しかし、これは誰にでも起こり得ることですので、それを責める必要はありません。
メンタルヘルスの不調が続いてしまうと、うつ病や不安障害などのこころの病へと繋がってしまうことがあります。いわゆる精神疾患といわれているものです。これは他者には気付かれないことも多々あります。また、自ら言い出し辛いことでもあります。大切なのは、ストレスが溜まってしまった時にどのようにそれを発散するのか、そもそもストレスを感じないようにするための方法や、困ったことや悩んだことがあった時に相談する相手を見つけておくことです。
メンタルヘルスの不調は発達障害の有無に関係なく誰にでも起こり得る
発達障害の特性を持つ方は特性上メンタルヘルスの不調になりやすいというだけで、発達障害の有無に関係なく誰にでも起こり得ることです。
そのため、いつも真面目に働いてた方が急に不調になってしまったり、いつも明るく笑顔で話していた方が急に笑顔が無くなり、夜眠れずにご飯も食べれないといったこともあります。もしくは、人前では明るくふるまってる方でも実はうつ病で、本当は辛い状態にも関わらずその辛さを見せずに明るく見せているだけだったという話もあります。
自分には関係ないなんて思わずに、普段からストレスの発散などをして予防するようにしましょう。
発達障害とメンタルヘルスの関係性は?
発達障害とメンタルヘルスの関係性はとても深いといわれています。発達障害の特性によってコミュニケーションを取ることが苦手であったり、幼稚園や学校などの集団行動をする中で、周囲の行動と違った行動などをして強く叱られた経験が他者より多くあります。
そういった経験が繰り返されていくうちに、発達障害を持つ本人にストレスや辛い経験がどんどんと蓄積され、メンタルヘルスの不調へと繋がっていきます。そして、普段から理解され辛い状態に加えてメンタルヘルスの不調が重なってしまい、自己肯定感の低下や「二次障害」などにも繋がることがあります。
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発達障がい児にあらわれやすい二次障害(精神疾患)とは何か
二次障害には精神疾患としてよく知られる「うつ病」や「双極性障害」、「統合失調症」といった物から、「摂食障害」「睡眠障害」など様々なものが現れることがあります。ですが、メンタルヘルスが不調になった状態が続いたからといって、二次障害に必ずなるという訳でもありません。また、二次障害に発展し辛くなるように、ストレスの発散方法を始めとしたメンタルヘルスケアや、予防の方法などを次の項目で紹介していきます。
発達障がい児におすすめのメンタルヘルスケア
ここからはおすすめのメンタルヘルスケアやストレスを軽減するための予防などについて紹介します。物によっては発達障害の有無に関係なく出来ることもありますので、自分には関係ないなと思わずに、少し読むことで活用できることがあるかもしれません。
また、番号を振って紹介をしていますが、1番だからこれが一番大切!という訳ではありませんのでお気を付けください。
発達障がい児が過ごしやすい環境をつくる
過ごしやすい環境とは、その子の特性に合わせた環境をつくることです。
例えばどこで何をすればいいか分からなくなってしまう場合には「場所ごとに何をするのか分かりやすくする」などが当てはまります。ここには荷物を置いていい場所、ここは勉強をする場所、ここは遊ぶ場所、ここは休憩をする場所などと具体的に分かりやすくすることで混乱や不安を軽減することができます。
こういった環境をつくることで、特性上どうしても苦手なことや困難を感じることが減り、結果的にストレスを感じることを減らすことができます。
周囲の支援者や大人が特性や困難さに理解を示す
発達障害と言っても、その特性や困難を感じることは、1人1人大きく変わってきます。そのため、同じ発達障害だからといって同じ対応や、同じように考えるのではなく、この子は触れ合うのが苦手、この子は読み書きが苦手、この子は言葉で気持ちを伝えるのが苦手などとしっかりと理解していくことがとても大切です。
生活リズムを整える
生活リズムが乱れてしまうと心身どちらにも様々な影響が出てきます。また、不規則な生活は神経伝達物質セロトニンの分泌に悪影響を与え、うつ病などになりやすいともいわれています。
そのため、朝起きて太陽光を浴びる。無理のない範囲で朝食を食べる。そして夜はなるべく決まった時間に寝るようにしましょう。え?それだけでいいの?と思う方もいることでしょう。これだけで良いのです。ですが、決めてみると朝起きれない、ご飯が食べれない、寝る時間が遅くなってしまうといったことがあります。少しずつ整えてみましょう!
適度に休む
休む行為はとても大切です。つい忙しいからといって休憩をせずに仕事を続ける、勉強をする、家事をする。そして疲労がとても溜まりきってしまい寝付けずに疲れを残したまま次の日へなんて経験をした方もいることでしょう。
そうなってしまうと次の日にやるべき事が上手くいかずに、余計にストレスが溜まってしまい、悩み事が増えて更にストレスへ・・・といった負の連鎖に陥ってしまうこともあります。
ですので、毎日の中でちょっとした時間で良いので休める時間を作りましょう。ストレッチをする、コーヒーを飲んで一息つく、自分の趣味に没頭する、家族や友人といった人との会話をする、息抜きの方法は何でも構いません。自分にあった方法で休むようにしましょう。
自己肯定感を高める
「自己肯定感」という単語は近年よく聞くようになりました。ネットニュースや新聞、テレビ番組など様々な所で目にした方も多いのではないでしょうか?
自己肯定感とは「ありのままの自分を受け入れること」を指しています。自己肯定感が高まると自信がつき、自分を大切にする心も芽生えます。発達障害を持つ方は、どうしても自己肯定感が下がる機会が多くあります。そのため、周囲の方がその本人の結果を見るのではなく、努力を認めたり、大切にしてあげる、お子さんなら愛情を伝えることで「自分は大切にされている」「自分のことを見てくれる人がいる」と実感し、自己肯定感が築かれていきます。
自分なりのストレス発散の方法を作る
これは人によって様々な方法があります。大きな声を出せる環境で大きな声を出す、甘いものを食べる、好きな音楽を聴く、好きな本を読む、旅行をする、誰かに話したり相談する、深呼吸をする、軽く運動をするなどが挙げられます。
発達障害の特性上出来ないこともありますので、出来る範囲でストレス発散する方法を探してみましょう。おすすめは、気楽に出来る「深呼吸」や「散歩」などちょっとした隙間の時間で出来ることから試してみてください。
甘いものを食べることは、かなりストレスの発散になりますが、頻繁に食べてしまうと太ってしまいそれが逆にストレスになってしまうなんてこともありますので、ストレスの発散がストレスになってしまったなんてことのないようにやり過ぎには要注意です!
【まとめ】発達障がい児こそ必要なメンタルヘルスケアとは
ここまでメンタルヘルスケアについて、発達障害との関係性やおすすめのメンタルヘルスケアの方法などを紹介してきました。実践する際には無理をしないようにしてください。無理をすると疲れてしまいますし、ストレスを感じやすくなってしまいます。
今回の記事では一切精神科などの紹介をしませんでしたが、医療機関などを頼ることは決して悪いことではありません。もしも不安なことや悩み、こころの不調が続いてるなどがある場合には一度相談してみましょう。