精神疾患にならないためには身体的健康も大切?メンタルヘルスと身体的健康の関係性とは

近年注目されつつあるメンタルヘルス(心の健康)ですが、このメンタルヘルスを守るためには「身体的健康」も大切だと言われています。今回の記事ではこのメンタルヘルスと身体的健康の関係性や、この2つがどのようにお互いに作用しているのかを見ていきたいと思います。

なぜメンタルヘルスを守るためには身体的健康が大切?

精神疾患にならないためにはメンタルヘルスを守ることが大切だと考える方は多いでしょう。ですが、身体的健康も同様に大切になってきます。身体的健康と精神的健康はお互いに作用しあい、強い影響を与え合います。

例えば、消化器系は脳によって強く支配されているため、不安、抑うつ、恐怖などがあることで消化器系の機能に大きく影響すると言われています。

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参考:消化器疾患にともなう抑うつ、不安

 

高熱やインフルエンザなどにかかって、身体的に弱っている時に、様々なことを考えてもどうしてもネガティブな方向に考えてしまう経験などは多くの方があるのではないでしょうか?もし悪化したらどうしよう、このまま治らなかったらどうしよう・・・なんて普段は考えないようなことでも、身体的に弱っていることで精神的にも作用してしまい、こころも弱まっている証拠です。

また、身体的健康が損なわれることで、今まで自分で出来ていたことが誰かに手伝ってもらったり補助してもらわなければ出来なくなったり、自由に動けていたことが動けなくなることでストレスを感じることがあります。そういったストレスが溜まり続けることでメンタルヘルスへ悪い影響を与えて、精神疾患までいかずとも気分が落ち込んでしまうこともあります。

体力の低下は身体的にも精神的にも疲労を感じやすくなる

なんらかの病気などに罹った時に、それが長引くことで運動量などが減り、体力が落ちることがあります。そうなると身体的エネルギーが不足がちになり、日常生活を過ごしているだけで大変になってしまい、その他の物事を行うための気力や興味といったものが沸かなくなることがあります。

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参考:Longitudinal study finds lack of physical fitness is linked to heightened risk of mental disorders

※リンク先は海外のWebサイトになります

 

この研究では、体力不足が精神疾患のリスクが増加と関連しているとの結果も出ています。あくまでもこの研究では観察にとどめており、人々の行動へ介入している訳ではありません。ですが、体力がない人の場合は、ある人に比べてうつ病になる確率は高いと出ていますので、健康を維持して、日常生活に運動やトレーニングを入れて体力を低下しないようにすることは、メンタルヘルスを守るために大切だと述べられています。

身体的健康が損なわれることで人間関係にも影響が?

何かしらの病気にかかってしまった後、それが回復しても後遺症が残ることがあります。そういった事から、家族や友人、職場の上司や同僚などに心配をかけないようにと、自分のことについて詳しく話さずに、「大丈夫だよ」と言ったり、話したくないと思い話さないことがあります。

ですが、そのような事が続くと本人のことを誰も理解できないため、段々と自分の事を誰も分かってくれない、自分の悩みを相談できる相手がいない状況へと陥ってしまい、人間関係がギクシャクすることもあります。

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参考:Mental health information in Japanese

 

メンタルヘルスと身体的健康を守るためには?

まずはメンタルヘルスについて正しく知ることが大切です。メンタルヘルスが不調になったからといって、すぐに精神疾患へと繋がる訳ではありません。

日常生活や社会生活を過ごすうえで、メンタルヘルスは浮き沈みするのが普通の反応です。嬉しいことがあれば気分は上がるし、悲しいことがあると気分は落ち込みます。そして少しの間落ちている状態が続くのも普通の反応です。

ですが、メンタルヘルスが不調になった状態が長く続き、自分の心からのサインを見逃していると、精神疾患のリスクは高まっていきます。

自分の心からのストレスサインを見逃さない

では、自分の心が出しているストレスサインとはどのような物があるのでしょうか?

  • 暗く悲しい気分が1日中続く
  • これまで好きだったことが楽しめない、興味がわかない
  • 食欲がなくて体重が減る、もしくは過剰に食べすぎる
  • 毎日眠れない、寝すぎてしまう、寝てもすぐに目が覚めてしまう
  • イライラして怒りっぽい
  • 疲れやすくて元気がない、やる気が沸かない
  • 自分が役に立たない人間だと感じる
  • 集中力が無くなり、物事を決断できない
  • 将来に希望が持てず、死んでしまいたいと思う

これらの症状のうち、5つ以上の症状が2週間以上続いた場合は、うつ病の可能性があると言われています。もし、今これを読んでいて気になることがある場合には、一度心療内科や精神科の受診を考えてみてください。

1人で悩み続けて悪い方向に考えてしまうことも、専門家に相談することで解決する可能性もあります。

身体面に出ているサインを見逃さない

原因は分からないのに、頭痛や肩こり、動悸がする、腹痛や胃痛といった症状が続いている場合、それもメンタルヘルスが不調になっていることで、身体面に現れているサインかもしれません。

寝不足、食べ過ぎといった明確な理由がある場合には良いのですが、もしも原因不明の体調不良が続いている場合も心療内科や精神科の受診を考えておきましょう。先に内科などを受診して、異常が見られない場合には心療内科などへ行くという手段もありますので、自分が安心できる方法を選ぶことが大切です。

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参考:厚生労働省 こころもメンテしよう

 

メンタルヘルスも身体的健康も守るためには

メンタルヘルスと身体的健康は同じ方法で同時に守ることができます。そしていくつかの方法は日常生活に取り込むことが出来ますので、その方法を紹介していきます。

定期的な運動

まずは、出来る限り運動を取り入れていきましょう。エレベーターで移動していた距離を階段で移動してみる。電車やバスを一駅分歩いてみる。自動車で移動していたものを自転車で移動してみるなど様々な方法があります。

体力の維持にも繋がりますし、慢性疾患を防ぐこともできます。そして適度な運動は幸福感を高めるホルモンが分泌されたり、ストレスの軽減にもつながります。無理のない範囲で行うようにしましょう。

バランスの取れた食事

栄養バランスが良い食事は、健康を保つためには大切な基礎となる部分です。あれもこれも取れとなると大変になってしまい、手が回らなくなることがあります。そのため、野菜を1品追加してみる、果物を1品追加してみるなど少しずつ変えていくのが良いでしょう。

十分な睡眠

睡眠をとることは身体面にも精神面にもとても大切です。身体面には身体の修復や再生を促し、精神面には感情の安定を促したり、不安を軽減する効果が期待できます。7時間から9時間ほど取るのが良いとされていますが、中々眠れないという方は睡眠をとるための準備からしてみるのをおすすめします。

軽いストレッチや、ゆっくりとした深呼吸、ヨガなどは快眠を取るためのリラックス方法として簡単に行えるのでおすすめの方法です。自分に合ったリラックス方法を見つけていきましょう。

ストレスの発散

現代社会では、仕事や学校などで様々な人間関係や環境の変化からストレスが溜まりやすくなってしまいます。

そのためにも、自分に合ったストレス解消法を確立することが大切といえます。瞑想や深呼吸、ヨガ、ストレッチなどが効果的です。他にも自分の身体と心が落ち着くための休息時間を設けたり、趣味や好きなことなどに没頭する時間を作ってリフレッシュすることも忘れないようにしましょう。忙しいからといって、リフレッシュする時間を疎かにしてしまうと、疲れがどんどん蓄積してしまいます。

 

そして、最後に無理をしないことがとても大切です。今挙げたものを絶対にやらなければいけない!と考えて、行うとどうしても出来なかった時の自分に対して、ダメなんだと考えてしまうことがあります。そのため、出来たら自分を誉めて、出来なかった時には明日頑張ろう!程度に考えておくようにしましょう。

ある程度気楽に考えるようにするのも、メンタルヘルスを良好に保つための秘訣です!

 

【まとめ】精神疾患にならないためには身体的健康も大切?メンタルヘルスと身体的健康の関係性とは

今回はメンタルヘルスと密接な関係にある身体的健康を同時に守るための方法などを紹介してきました。

本来の意味合いとは違いますが、「健全な精神は健全な肉体に宿る」なんて言葉もあります。自分の心も身体も守るために、日常生活の中で少しずつ意識して、健康的な日々を過ごすようにしていきましょう!