うつ病や双極性障害、強迫性障害といった精神疾患は年々増加傾向にあります。現代社会を生きていく上で、メンタルヘルス(こころの健康)を守ることはとても重要視されるようになっています。
また、精神疾患にかかりやすい人。つまりメンタルヘルスの不調になりやすい人の特徴を理解しておくことで、自分が気付いたら精神疾患になっていたなんてことを防ぐと共に、早期発見、早期治療に繋げることもできます。
今回は、そんな精神疾患にかかりやすい人の特徴を紹介していきたいと思います。
精神疾患とは
精神疾患(精神障害)とは何らかの脳の器質的あるいは機能的障害が起こり、さまざまな精神症状、身体症状、行動の変化が見られる状態です。
精神疾患は生涯を通じて4人に1人がかかるとも言われており、誰もがかかる可能性のある病気です。そのため、自分は関係無いから平気、うつ病にはならないなんて考えは今のうちに変えておいたほうが良いでしょう。
また、精神疾患は回復しうる病気とも言われています。多くの場合は様々な治療を行っていく上で、回復を促し、安定した生活を送ることができるようになります。ですが、その回復するために必要な期間はその人の特性や、病気の重度によって大きく変わります。
なので、精神疾患を患った時は早く治そうとするのではなく、しっかりと休んでじっくりと治す姿勢が大切です。焦ってしまうと回復が遅くなってしまう可能性もあります。双極性障害などは症状が落ち着いた後も、まだ回復したとは言えない状態が続きます。自己判断で飲んでいる薬を止めたり、療養を止めたりすると再発してしまう可能性もあります。気を付けるようにしましょう。
精神疾患にかかりやすい人の特徴
ここからは精神疾患にかかりやすい人の特徴を7つピックアップして紹介していきます。
遺伝的要因によるもの
うつ病や統合失調症、双極性障害などは遺伝的な要因が強いと言われています。家庭内で同じような疾患を持つケースが多い傾向にあります。これは精神疾患が遺伝するという訳ではなく、なりやすい体質が遺伝するとお考えください。
これはあくまでもなりやすい特徴の1つです。家庭内にうつ病の方がいるからといって必ずなるとは限りません。遺伝的要因以外にも、心理的な要因や環境的な要因も精神疾患に繋がる要素ですので、忘れないようにしましょう。
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参考:東京都医学総合研究所 うつ病になりやすい体質が遺伝する仕組み
環境によるストレスによるもの
日々の生活環境や社会生活を送る上での環境によるストレスが多いことで、精神疾患になりやすいと言われています。
学校や職場などで人間関係によるストレス、仕事の責任やプレッシャーからくるストレスなどストレスは様々な出来事から発生します。そのストレスが過度にかかることで、身体的にも精神的にも悪い影響を与えてしまいます。
次の日に大事な会議や商談、学校の入試、舞台の発表など緊張する場面でお腹や胃が痛くなったり、夜眠れなくなった経験が1度はあるのではないでしょうか?それは、ストレスによるものが大半でしょう。
このストレスが慢性的に過度にかかると、メンタルヘルスの不調に留まらず、精神疾患にかかるリスクが高まってしまいます。
過去のトラウマによるもの
過去に大災害を経験した、虐待を受けた経験、性暴力を受けた経験などがある方は、精神疾患の中でもPTSD(心的外傷後ストレス障害)にかかりやすいと言われています。自分の意思とは関係なく、フラッシュバックが起きたり、悪夢を見たり、不安や緊張が高まるといった症状が現れます。
PTSDは決して珍しい病気ではありません。そして、過去のトラウマは中々解消できるものでもありません。1人で悩まずに、心療内科を始めとした医療機関へ相談しにいくようにしましょう。
孤独や孤立感によるもの
友人や家族、同僚や上司といった他者との関わりが薄く、孤独や孤立感があることでストレスの増加や、免疫力の低下などを引き起こし、うつ病だけではなく自殺リスクが高まるといわれています。
精神疾患だけではなく、命にも関わってくる重要な要素です。自分は1人で平気!なんて思っていても、歳を取っていくごとに1人が辛くなってくる場合もあります。
他者との関わりを積極的に行えなんてことは言いませんが、自分が心安らかに接することの出来る人や、信頼できて相談できる方がいると良いですね。
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参考:岡崎市社会福祉協議会 早死リスクが50%高くなる孤独・孤立
性格的によるもの
精神疾患になりやすい性格ってあると思う?と聞かれたらなんて答えるでしょうか?
陰鬱そうな人、ネガティブな人、自己肯定感が低い人と答える方は多いのではないでしょうか。実はそうではありません。確かに自己肯定感が低く、自分に自信がない方は精神疾患になりやすい傾向にあります。ストレスやプレッシャーに弱く、上手くこれらを処理することが出来ないからと言われています。
それ以外にも、完璧主義者や几帳面で真面目な人、責任感が強い人も精神疾患になりやすいと言われています。真面目が過ぎて、責任感があるからこそ、柔軟性のある考え方が出来ずに、妥協が許せず、出来ない自分を責めてしまう傾向があります。
そしてそれを1人で抱え込んでしまい、ストレスの発散ができずに精神疾患になってしまうという傾向があります。
生活習慣が不規則によるもの
不規則な睡眠リズム、不健康な食生活、運動不足などの生活習慣が悪くなった日々を繰り返し過ごしていく中で、自律神経の乱れ、免疫機能の低下などを起こしストレスに対する抵抗が少しずつ弱くなっていきます。
その結果、気分の落ち込み、不眠、気力の低下などを引き起こしていきます。一度それらが現れた後に回復し元に戻ればいいのですが、長引いてしまうとメンタルヘルスに不調を引き起こしている可能性が高いです。
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参考:新潟ウェルネス こころの病気を予防するために
薬物やアルコールの乱用によるもの
仕事や日常生活が上手くいかない。そんな不安や焦り、もどかしさからアルコールや薬物、ギャンブルなどに手を出すことがあります。
薬物やアルコール、ギャンブルなどは依存度がとても高いものです。ですが、嫌なことを気軽に忘れることができ、その経験を脳が覚えてしまい繰り返してしまいます。そして、繰り返し行うことでやめたくてもやめられない状態、いわゆる「依存症」という精神疾患にかかってしまいます。
薬物やアルコール依存症になると、身体的にも精神的にも大きな悪影響を及ぼします。そして時には本人だけではなく、周囲の方を巻き込んでしまうこともあります。
メンタルヘルスを守り精神疾患を予防するためには
前項で挙げた特徴を意識して気を付けるようにしましょう。
とはいっても遺伝的要因はどうしようもありませんし、過去のトラウマはすぐにどうにかできるものではありません。ですがその他の、項目については少しずつ変えていくことができます。
環境は職場なら転職や上司への相談など、学校ならば転校や教師への相談など、生活習慣の改善、性格は考え方を変えるようにするなど様々な手段があります。
ですが、すぐに全てを変えようとすると、大変になってむしろ出来なくなって、自分を責めてしまうなんてこともあります。1つずつ出来そうなことを変えていき、変えた自分を誉めて、受け入れていくことで改善を促していきましょう。
【まとめ】これを知らないとあなたも精神疾患に!? メンタルヘルスの不調に陥りやすい日の特徴とは
今回は精神疾患になりやすい人の特徴を挙げてきました。1つ1つは誰にもあり得る特徴です。これらの要因が複雑に絡み合い、何かしらの出来事がきっかけとなって精神疾患へと繋がります。
ですが、精神疾患は早期発見し、適切な治療を早期に始めることができれば、回復への期間を早めることもできます。自分だけではなく、周囲の方の心の健康を守っていきましょう。