近年では精神疾患の患者数の増加が問題視されています。そのため、精神疾患にならないためにもメンタルヘルスを守るための取り組みが行われるようになってきました。
今回はそのメンタルヘルスが不調になりやすい人やなりづらい人の特徴を紹介していきたいと思います!
メンタルヘルスとは?
まずはメンタルヘルスについてご存知の方も改めておさらいをしていきましょう。メンタルヘルスとは「体の健康だけではなく、こころの健康状態」を意味します。
なんだか今日は心が軽い、やる気に満ち溢れているそんな状態の時はメンタルヘルスが良い状態でしょう。逆に、今日はなんだか心が重い、何をしていても楽しくない、気分がずっと沈んでいるなんて時はメンタルヘルスが悪い状態でしょう。
ですが、メンタルヘルスの浮き沈みは誰にでもありますし、日常生活や社会生活を送る上でストレスを感じることもあります。そのストレスが取れずにずっと気分が沈んでいるような状態が続くとメンタルヘルスが悪化していき、精神疾患へと繋がる可能性もあります。そのため、メンタルヘルスを守ることはとても重要なことなのです。
メンタルヘルスに対する取り組み
現在、日本ではメンタルヘルスに対して様々な取り組みや法整備などがされています。法律が何度も改正されていますし、労働安全衛生法に基づく指針として労働者の心の健康の保持増進のための指針なども制定されています。
これは、労働者の受けるストレスの拡大傾向があり、仕事に関しての強い不安やストレスを感じている方の増加、精神障害等に係る労災補償状況の増加などを受けて、事業場においてより積極的に労働者のメンタルヘルスを守ることが必要とされているからでしょう。
主に4つのケアが行われており、セルフケア、ラインによるケア、事業場内産業保健スタッフによるケア、事業場外資源によるケアが行われています。今回の記事では簡単に紹介していきます。
まずセルフケアでは、労働者が自らメンタルヘルスを守るために行うものです。自分のストレスに対して気付き、ストレスに対してどのような対処をするのかが大切です。
次にラインによるケアです。これは職場の管理監督者が労働者に対して行うものです。職場環境などの改善であったり、労働者に対して悩みや不安などがないか話し合いをしたりします。
そして事業場内産業保健スタッフによるケアですが、産業保健スタッフは産業医や衛生管理者、保健師等。精神科や心療内科などの医師などの専門スタッフなどが行うものです。セルフケアやラインによるケアに対する支援の提供や、メンタルヘルスケア実施の企画立案、事業外資源とのネットワークの形成などが行われています。
最後に事業外資源によるケアです。これは都道府県メンタルヘルス対策支援センター、地域産業保健センター、医療機関などの機関や専門家などの専門機関を活用したケアを行います。メンタルヘルスの相談やカウンセリング、診断、復職指導などがここに含まれます。
この他にも地域によるメンタルヘルス支援体制の整備として地域の行政や支援団体などが行っている取り組みなどもありますので、もし気になった場合はお住まいの地域の精神保健福祉センターや取り組みなどを調べてみるのをおすすめします。
外部リンク
参考:厚生労働省 事業場などによるメンタルヘルス対策の取組事例集
参考2:厚生労働省 こころの耳 メンタルヘルス対策(心の健康確保対策)に関する施策の概要
メンタルヘルスが不調になりやすい人の特徴とは
そしてここからが本題となります。メンタルヘルスの崩れやすい人の特徴を挙げていきたいと思います。
ですが、特徴を挙げる前に皆さんに注意していただきたいことがあります。それは、その特徴があるからといって必ずしもメンタルヘルスが不調になりやすいという訳ではありません。まったく問題ない方もいます。あくまでも特徴であり、その特徴を持つ方がメンタルヘルスを不調になりやすい傾向があるということをご理解ください。
では、特徴を挙げていきたいと思います。
- 過度な完璧主義者
- 周囲に気配りができる真面目な人
- 自己肯定感が低い
- 過去のトラウマを抱えている
- 過剰な責任感や他者への依存
- 感情のコントロールが難しい
- 孤立していたり、社会的支援が乏しい
- 不安やストレスへの耐性が低い
- 依存的な性格など
自己肯定感が低い方、過去のトラウマを抱えている方、依存体質、感情のコントロールが難しい方などは、悪い方向へ考えてしまいがちであったり、自分に自信が持てない、トラウマによる影響などがなんとなくイメージがしやすいのではないでしょうか?
ですが、過度な完璧主義者や周囲に気配りが出来る真面目な人はなんで?となる方もいるでしょう。仕事ができる人は実は心身共に疲労を溜め込みやすいとされています。
仕事ができる人は真面目で几帳面、完璧主義、そして非常に責任感が強く、他者に対して厳しい面もありますが、それ以上に自分に対して厳しいという特徴があります。それによって、自分に課したルールに縛られすぎてしまい、柔軟な思考ができなかったり、自分1人では出来ない量の仕事を抱え込んでしまうことがあります。そして疲労が蓄積し、心身共にダメージを受けてしまいます。
外部リンク
参考:気質理解によるメンタルヘルス不調の予防と人間関係ストレスの軽減
メンタルヘルスが不調になりにくい人の特徴とは
では、逆にメンタルヘルスが不調になりにくい人の特徴を挙げていきます。
- ストレスに直面した時の回復力が高い
- 社会的支援ネットワークが充実している
- 自己肯定感が高い
- 自己管理とストレス管理能力が高い
- 健康的な生活習慣を過ごしているなど
先程とは逆のことが挙げられます。社会的支援ネットワークとは、お互いに支え合うことのできる友人や家族、職場の同僚などが挙げられます。ストレスが感じやすい場面でも、お互いに支え合うことで悪化し辛くすることができます。
また、健康的な生活習慣はメンタルヘルスではなく身体的な健康ではないの?と疑問に思う方もいるかもしれません。ですが、健康的な生活習慣は精神面にも大きく影響を与えます。栄養バランスの取れた食事、適度な運動、適度な睡眠時間はメンタルヘルスを支える基礎的な物になりますので、なるべく整えていきましょう。
外部リンク
参考:生活習慣に関する参考論文 Social and Emotional Support and its Implication for Health
※リンク先は海外のサイトとなります
ここまでメンタルヘルスが不調になりやすい人、なりにくい人の特徴を紹介しましたが、もちろんこれ以外にも様々な特徴があります。そして、その人の特徴だけではなく、環境的な要因なども大きく影響してきます。自分だけではなく、周囲の方と協力して居心地の良い環境を整えていけると良いですね。
メンタルヘルスを守るために今から出来ることは?
これは今すぐできることを紹介していきます。この記事を読んですぐに取り組むことができますので、ぜひやってみてください!
生活習慣を整える
1つ前の項目でも挙げましたが、生活習慣を整えていきましょう。睡眠時間はしっかりと確保できていますか?適度な運動は取れていますか?偏った食事になっていませんか?1つ1つチェックし、改善していきましょう。寝る前にヨガや軽いストレッチなどをすると、寝つきが良くなるなんて方もいますので、試してみてはいかがでしょうか?
自分のストレスを管理する
マインドフルネスという言葉はご存知でしょうか?これは今ここで起こっている物事に対して集中する状態を指します。目の前の物事に集中することで、自分の考えや感じたことによって心が乱されずに、本来感じることのない不安やストレスから解放されるといった効果があります。
5分間の深呼吸や、簡単な瞑想など短い時間で取り入れることが出来ますので、おすすめです。ただし、重度のうつ病やPTSDの方は症状の悪化する可能性もありますのでやめておきましょう。
その他にも、趣味の時間や休息の時間を取るなどもおすすめですよ!
他者とのつながりを大切にする
孤独感はメンタルヘルスへ悪影響を与えることがあります。そのためにも、友人や家族、職場の同僚などとの交流は無理のない範囲で行うようにしましょう。支え合い、相談できる相手の存在はあなたのメンタルヘルスを守ってくれます。
現代ではインターネットが普及しているため、新たなコミュニティに対して参加がしやすい環境となっています。自分の趣味を共有できるグループなどに参加することで、新たな友人が出来たりするきっかけにもなりますので、参加してみてはいかがでしょうか?
自分の心を知る
自分の心が今どのようなストレスを受けているのか、どの程度のストレスなら許容できるのか、このサインが出た時にはストレスで限界を迎えていて危険!などが分かると、事前にその対策をすることが出来ます。
ストレスがまったく無い環境で生活をするのはとても難しいでしょう。そのため、自分の心を知り、上手くストレスと付き合う方法を学びましょう。
専門家の支援を受ける
悩みやストレスで押しつぶされてしまう前に専門家へ相談し、カウンセリングなどを受けましょう。自分1人ではどうにもできないことでも、専門家へ相談することで新たな道が見つかる可能性があります。
あなたは1人ではありません。そして、専門家などを頼ることは悪いことではありません。
【まとめ】精神疾患にならないために! メンタルヘルスが不調になりやすい人となりづらい人の特徴とは?
今回はメンタルヘルスが不調になりやすい人やなりにくい人の特徴、そしてメンタルヘルスに対する取り組みなどを紹介しました。
こういった知識をつけて、普段の生活から意識して取り組むことでメンタルヘルスの不調を防ぐことができます。とは言っても、たまに悪くなることは誰にでもあります。そんな時は焦らずにしっかりと休み、ストレスを発散していくようにしましょう。