人はストレスや疲れが溜まると心や身体が様々なサインを出します。ですが、そのサインに気付かずに放置してしまい、そのままの生活を過ごしていってしまうとメンタルヘルスの重大なダメージとなってしまい、精神疾患に繋がる可能性もあります。
今回の記事では、その心や身体が出すストレスのサイン、そしてストレスの解消の仕方などを紹介していきます。
メンタルヘルスって何?
現代ではメンタルヘルスについての注目度が高まっているため、ご存知の方も多いかと思いますが、改めてメンタルヘルスについて確認をしていきましょう。
厚生労働省からの引用になりますが、メンタルヘルスとは「体の健康ではなく、こころの健康状態」を意味します。
また、世界保健機関(WHO)は、メンタルヘルスを「すべての個人が自らの可能性を認識し、生命の通常のストレスに対処し、生産的かつ効果的に働き、コミュニティに貢献することができる健全な状態」と定義しています。
どちらもこころの健康状態を指しているのが分かるかと思います。こころは生きていく上でストレスを感じるため、その時々の出来事によって浮き沈みするものです。楽しいことがあればいい気分に、悲しいことや辛いことがあった時には悲しい気分になります。ですが、その沈んだ状態は一時的なものですが、時に長引くことがあります。このメンタルヘルスの不調が長期間継続することによって精神疾患に繋がると言われています。
このメンタルヘルスの不調になる時には、ストレスによってなんらかのサインが出ています。そのサインを見ていきましょう。
※参考2は海外のWebページとなっています
ストレスのサインにはどんなものがあるの?
ストレスのサインには心から出るものと、身体面に出るサインがあります。それぞれ紹介していきます。
心が出すストレスのサイン
- 気分の落ち込み
- 悲しい気分が続く
- 不安や心配な気持ちが続く
- 怒りっぽい、イライラする
- 集中力が続かない
- 判断力が落ちて、決められない
- 急に泣き出してしまう
- 人付き合いが面倒になって避ける
- 好きだったことをしても何も楽しく感じない など
これらのサインが心から出やすいものとなっています。
身体が出すストレスのサイン
- 頭痛・腰痛・腹痛・胃痛などが現れる
- 寝つきが悪い、寝てもすぐに目が覚めてしまう
- 食欲がない、もしくは過剰に食欲がある
- めまいや耳鳴りがする
- 疲労感がいつまでも抜けない
- 身体がだるく感じる
- 動悸や息苦しさなどがある など
身体面ではこれらのサインが出やすいとされています。もちろん今挙げたもの以外にも様々なサインが人によって現れることがあります。例えば、見た目の変化などがあります。今までは身だしなみを整えて、清潔感のある姿を保っていた人が急に身だしなみが悪くなったり、明るかった人が暗くなって俯いていることが増えたなど、分かりやすいサインから分かり辛いサインがあります。これらのサインにしっかりと気付いて対処を行うことが大切です。
外部リンク
参考:厚生労働省 こころもメンテしよう ストレスのサイン
ストレスのサインが出た時の対処法とは
自分で自分のサインに気付いた場合にはセルフケアを行いましょう。セルフケアとは自分自身でストレスを予防や対処、管理することです。
あなたは自分のストレス発散できる方法は知っていますか?どんなことをすればストレスが薄れていくのか、疲れが取れるのかなどを知っておくことで、適切なセルフケアを素早く行うことができます。一例を紹介していきます。
軽く体を動かす
時間がない時はストレッチをしたり、少し時間があるならば軽い散歩などをおすすめします。運動にはネガティブな気持ちを解消したり、リラックスする効果や、睡眠リズムを整えるなど良い効果がたくさんあります。20分程度が目安だとされていますので、出来る範囲で行ってみましょう。
深呼吸をする
不安や緊張が強い時には、自然と息が上がる時があります。段々と心臓もドキドキし始めて汗も出てきて余計に不安や緊張が強まるという悪循環になりかねません。まずは一旦呼吸に意識を集中して、深く呼吸をするようにしましょう。息をゆっくりと吐きだし、吐き出した時間と同じ時間息を吸います。出来る方は腹式呼吸をするとより効果的ですが、深呼吸をするだけで構いません。
深呼吸をしていくうちに、副交感神経が刺激されてリラックスし、心が落ち着いていくことができます。余計なことを考えずに、呼吸だけに集中して5分から10分程度深呼吸を繰り返しましょう。頭の中で息を吐いた秒数や吸った秒数をかぞえながら行ってみましょう!
物事の捉え方を変える
人は物事の考え方が一度固まってしまうと、中々変えるのが難しい場合が多いでしょう。その考え方のせいで、必ずこれをやり遂げないといけないのに達成できない・・・そしてイライラしてしまうなんてことがあります。
そのため、その考え方を変えて、出来ていないことを見るのではなく、上手くいっていることやできていることに目を向けるようにしましょう。すると少し気持ちが楽になる場合があります。
自分の気持ちを書き出す
自分の気持ちを紙に書きだしてみましょう。この時に書きだす方法は言葉でもイラストでも構いません。なんなら意味のない落書きなんかでも構いません。自分なりの方法で抱え込んでる気持ちを書き出して表現してみましょう。
書き出すことで、今抱えている悩みと距離を取って客観的に見ることができます。そして主観的に見ているだけでは気付けなかったことに気付くことができます。気付くためには、その書き出したものを見返すことが大切です。
これは人に見せる必要はありません。自分の心の整理のために行うため、他者の目線は気にせずに思うがままに書いてみましょう。
音楽を聴く
音楽を聴くことはストレスの発散やメンタルヘルスの改善に効果があるとされています。思い出がとても詰まった曲を聴くと、つい泣いてしまうなんて経験がある方もいるのではないでしょうか。音楽療法という治療法もあるほどです。
気分に合わせた音楽を聴いてみましょう。アップテンポの音楽は活力を与えてくれ、スローテンポの優しい曲は不安や緊張を和らげる効果があると言われています。その他にも好きな曲を聴くことで気分を盛り上げることも出来ます。歌うのが好きな方は、カラオケなどで自分の気持ちを吐き出せるような曲を歌うのも良いでしょう。
この他にも失敗をしたら笑ってみる、心配事を相談する、好きな物を食べるなど様々な方法があり、人によって向いている物、向いていない物もあります。自分に合った方法を普段から探していきましょう。
外部リンク
参考:厚生労働省 こころもメンテしよう こころと体のセルフケア
もしもサインに気付けなかった場合はどうなる?
サインに気付かずに放置した場合や、サインに気付いていながらも我慢してしまう場合などがあります。もちろん生活をしていく上である程度のストレスは我慢をする場面もあります。
ですが、その後に適切なストレス発散を行う必要があります。もしもしなかった場合には、心身ともに不調が出始めます。そして、長期的に続いてしまった場合には精神疾患へと繋がるリスクもあります。そのため、常日頃から自分のサインに気を付けていきましょう。また、自分だけではなく周囲のサインにも気付くことができると良いですね!
自分では気付けないサインでも、他者なら気付ける場合もあります。そっと声をかけてみて、話を聞いてみてください。それだけでも相手は楽になることもあります。
メンタルヘルスを守るために日頃から気を付けることは?
まずは生活習慣を整えましょう!え、そんなことを?と思う方もいるかもしれませんが、バランスの取れた食事や適度な運動、睡眠時間をしっかりと取ることは健康な身体を維持する上で基礎となる大切なものです。健康な身体はこころを健康に保つためにも必要になってきます。
また、他者を頼るようにしましょう。この頼るというのは心配事を相談するなどを指します。自分だけで抱え込んでいたことも、他者に話すことで解決策が見つかる可能性があります。他にも医療機関やお住まいの地域の相談機関などを頼っても良いでしょう。必要な場合にはカウンセリングなどを受けることもできます。
そして自分の心に目を向けてあげましょう。自分の心を知るのは難しいですが、知ろうとしなければ余計に分からないものになってしまいます。どんなことにストレスを感じて、どのようなことでストレスの発散ができるのか、このサインはストレスが限界のサインだ!など早めに気付くことが出来れば、早めに対処を行うことができます。
【まとめ】メンタルヘルスを守るために 心や身体のストレスのサインに気付いていますか?
今回はストレスのサインについて、その対処法や事前に出来ることなどを紹介してきました。気分の浮き沈みは誰にでもあります。普段の浮き沈みではなく、もっと重い時のサインを見逃さないようにしていきましょう!