みなさん、こんにちは!最近、メンタルヘルスケアの重要性が高まっていて、カウンセラーという職業に興味を持つ方が増えていますよね。「どんな仕事なの?」「収入は安定している?」など、気になることがたくさんあると思います。今回の記事では、カウンセラーについての基本的な情報から、なり方まで、皆さんが気になっていることを解説していきたいと思います。
カウンセラーとは?業務や種類について
心の専門家として注目を集めているカウンセラー。でも、実際にどんな仕事をしているのでしょうか?まずは、カウンセラーについての基本を知っていきましょう。
カウンセラーとは?
カウンセラーとは、心理的な専門知識を活かして、悩みや問題を抱える人々の相談に乗り、その解決をサポートする専門家のことになります。単なる相談相手ではなく、心理学的なアプローチを用いて相談者の自己理解や問題解決を支援していきます。
カウンセラーの主な活動場所ってどんなところ?
カウンセラーと言っても実は色々な種類があり、活動する場所も様々です。まずは主な活動場所から紹介をしていきたいと思います。
- 医療機関(心療内科、精神科など)
医師と連携しながら、患者さんの心理カウンセリングや心理検査を実施します。また、うつ病や不安障害など、様々な精神疾患の治療のサポートをします。
- 教育機関(学校、教育相談所)
児童・生徒の心理的サポートを行い、いじめや不登校などの問題に対応していきます。また、児童や生徒だけでなく保護者や教職員へのアドバイスするなど、重要な役割を担っています。
- 企業(人事部門、健康管理室)
従業員のメンタルヘルスケアが主な業務となります。ストレスチェックの実施やメンタル不調者への対応、職場環境の改善提案なども行います。
- カウンセリングルーム(個人開業)
心理の専門資格を持った専門家が独自の専門性を活かした心理カウンセリングを提供しています。人間関係の悩みから自己成長まで、幅広い相談に対応しています。
また、最近では「カウンセリング」という言葉が幅広く使われており、占い館や恋愛相談所などでも「カウンセリング」という表現を使用することがあります。しかし、これらは専門的な心理カウンセリングとは異なるので、ここで紹介しているカウンセラーとは違ってきます。
カウンセラーの主な業務内容について
働く場所や環境によって多少の違いはありますが、カウンセラーの主な業務内容は次の4つになります。
- 1つ目:個別相談・面談の実施
相談者との1対1の対話を行い、悩みや問題点を整理していきます。通常40~50分程度の面談時間で、話をじっくり聴きながら適切な質問や助言を行い、解決に向けて一緒に考えていきます。
- 2つ目:心理テストや状態の把握
性格診断やストレスチェックなど、様々な心理テストを実施し、相談者の心理状態を客観的に理解していきます。テスト結果を丁寧に分析し、その後の相談方針を立てる重要な材料としていきます。
- 3つ目:相談記録を作成
面談の内容、相談者の変化、今後のサポート方針などを詳しく記録していきます。個人情報保護を徹底しながら、継続的な支援のために欠かせない業務です。プライバシーに配慮しつつ、必要に応じて他の専門家とも共有できる形で作成します。
- 4つ目:専門家チームの会議に参加
医師、看護師、福祉専門員など他の専門職と定期的に会議を行い、支援方針を検討します。様々な視点から相談者をサポートするため、チームでの支援における重要な役割となっています。
また、医療機関なら精神科医や看護師、教育分野なら教員やスクールソーシャルワーカー。福祉分野なら社会福祉士や児童福祉司などとも連携をとっていくので、相談者と他の専門家を繋ぐ大切な役割を担っています。
代表的なカウンセラーの種類
カウンセラーについて、少しずつでもイメージはできてきましたか? 次は代表的なカウンセラーの種類について紹介をしていきたいと思います。
- 心理カウンセラー
メンタルヘルス(心の健康)の問題に対応するカウンセラーで、最も一般的なカウンセラーです。うつ病や不安障害などの精神疾患から、日常生活での悩みまで、幅広い相談に対応します。
- キャリアカウンセラー
転職や職業選択に関する相談を専門としたカウンセラーです。適性診断や職業選択のアドバイスを行い、相談者の働き方の悩みをサポートしていきます。
- 学校カウンセラー(スクールカウンセラー)
いじめや不登校、進路相談など、教育現場特有の課題に対応。生徒だけでなく、教師や保護者のサポートも行います。
- 産業カウンセラー
職場のメンタルヘルス対策の専門家になります。働く人々のストレスケアや、職場環境の改善提案なども行います。
- 家族カウンセラー
夫婦関係や親子関係など、家族間の問題を専門的に扱うカウンセラーになります。家族関係の理論をもとに、より良い家族関係の構築をサポートしていきます。
ここまで、カウンセラーの基本的な仕事内容や種類について見てきました。カウンセラーの仕事についてイメージできてきましたか?つぎは、実際にカウンセラーになるために必要な資格について紹介していきたいと思います。
関連リンク
心理カウンセラーになるには? メンタルケアに関する資格と取得方法
カウンセラーに関する資格と取得方法
「カウンセラーになりたい!」と思った方、まずは資格について詳しく見ていきましょう。実は、カウンセラーの資格は種類も多く、それぞれ特徴があるんです。
公認心理師【国家資格】
2017年に誕生した新しい国家資格です。心理職の標準となる資格で、活動できる場所は医療、教育、福祉、産業など幅広い分野で活かすことができます。また、医療保険が使える心理職として注目されています。ただし、取得条件として大学で心理学を専攻+大学院修了(または実務経験)が必要となります。
【資格取得までのステップと費用】
- 大学で心理学を専攻(4年):国立大学約240万円/私立大学約400万円
- 大学院進学(2年)::国立大約120万円/私立大約200万円
- 受験準備・受験:受験料:3万円程度/参考書代:3~5万円程度
キャリアコンサルタント【国家資格】
仕事選びや将来の働き方を一緒に考える専門資格です。転職相談から職場での人材育成まで幅広くサポートします。働き方の多様化が進む中で、個人のキャリア形成を支援する重要な存在として注目されています。職業適性診断の実施や就職活動のアドバイス、企業内でのキャリア開発支援など、「働く」に関する様々な課題解決をサポートします。そのため、主な活動場所としては、ハローワーク、企業の人事部門、転職支援機関になります。
【資格取得までのステップと費用】
- 養成講座を修了する(約3~6ヶ月):通信講座20~25万円/通学講座:30~35万円
- 受験準備・受験:受験料:2万円程度/教材費:2~3万円程度
精神保健福祉士【国家資格】
精神障害など心の病を抱える方の生活全般を支援する専門資格です。医療・福祉サービスの利用支援から就労支援まで行い、病院での治療と地域での生活をつなぐ「架け橋」として、重要な役割を果たしています。具体的には、退院後の生活環境の調整、福祉サービスの利用支援、就労支援プログラムの実施など、医療と福祉の両面から総合的なサポートをします。医療機関(精神科病院、心療内科)や福祉施設(障害者支援施設、相談支援事業所)、行政機関(保健所、精神保健福祉センター)学校(特別支援学校、教育相談室)など多くの場所で活躍しています。
【資格取得までのステップと費用】
- 指定養成施設で学ぶ(1~2年):専門学校約150万円/大学約200万円
- 実習を行う(23日以上):10~15万円程度
- 受験準備・受験:受験料:2万円程度/参考書代:3~5万円程度
臨床心理士【民間資格】
心理的な問題に悩む方々の相談や心理治療を行う専門資格です。カウンセリング実践に特に強みを持っています。40年以上の歴史がある資格で、心理臨床の専門家として高い評価を受けています。うつ病や不安障害などの精神疾患への対応はもちろん、生きづらさや対人関係の悩みなど、様々な心の問題に対して、専門的な支援をしていきます。こちらも医療、教育、福祉分野を中心として、多くの場所で活躍しています。
【資格取得までのステップと費用】
- 指定大学院へ通う(2年):国立大学院:約120~180万円/私立大学院:約200~280万円
- 大学院在学中に実習・研修を受ける:交通費や学会に参加するなどの諸費用が発生
- 医療機関や教育機関に勤務する(1年以上)
- 受験準備・受験:受験料:5万円程度/参考書代:5~7万円程度
産業カウンセラー【民間資格】
働く人のメンタルヘルスを支援する資格となります。職場でのストレス対策や人間関係の改善をサポートします。近年、職場のメンタルヘルス対策が重要視される中で、その需要が高まっている資格です。ストレスチェックの実施や結果分析、職場環境の改善提案、個別相談など、企業の健康経営を支える重要な役割を担っており、働く人のストレスケアに強みを持った資格となります。
【資格取得までのステップと費用】
- 養成講座を受講(6ヶ月〜1年):通学講座25~30万円/通信講座15~20万円
- 受験準備・受験:受験料3万円程度/教材費2~3万円程度
国家資格を中心に主な資格を紹介しましたが、条件が難しいものもあります。そのため、現在の状況と合わせて検討して良いと思います。また、ここで紹介したもの以外にもカウンセリングに関する資格は多くあります。「ここで紹介してくれたのはちょっと始めにくそうかも・・・」と思った方は、別の資格から始めてみるのも知識を深めるのに良いと思います。
参考3:一般社団法人 日本産業カウンセラー協会 産業カウンセラー養成講座
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メンタル心理カウンセラー資格とは?特徴や人気の秘密を徹底解説
心理カウンセラーの働き方と収入事情について
カウンセラーの収入事情について気になるかたもいるかと思います。具体的な数字は勤務形態や経験年数、活動場所によって大きく異なります。そのため、経験の積み方や一般的な収入の目安をご紹介します。
カウンセラーの年収相場とは?(経験3年程度の場合)
医療機関:350~450万円
教育機関:300~400万円
企業:400~500万円
この辺りの金額が多く見られました。ただしこれらの金額は、勤務地域や組織の規模、個人の実績によって変動しますので、ひとつの目安にして頂ければと思います。一方、非常勤やフリーランスの場合は、時給3,000~5,000円、カウンセリング1回あたり8,000~15,000円が一般的な相場となっていました。
働き方やキャリア(経験)の積み方
カウンセラーのキャリアの積み方は、活動分野によって特徴があります。
- 医療分野の場合
クリニックでの経験を積みながら専門性を高め、総合病院の心理室などでチーム医療の一員として活躍するケースが多くみられます。また、経験を積むことで若手の指導や部門のマネジメントも任されるようになります。
- 教育分野の場合
学校などでのカウンセリング実績を重ねた後、教育センターや子ども支援センターなど、より専門的な機関での活動にステップアップしていくことが一般的です。生徒への直接支援だけでなく、教職員へのコンサルテーションや保護者支援のスキルも求められていきます。
- 企業内カウンセラーの場合
人事部門と連携しながら従業員のメンタルヘルスケアに携わります。ストレスチェックの実施・分析から、メンタル不調者の対応、復職支援まで、幅広い業務をこなすことが期待されます。
カウンセラーに転職しやすい前職とは?
どんな仕事をしていてもカウンセラーになることはできますが、その中でも現在の仕事からカウンセラーに転職しやすい職業を紹介したいと思います。
- 看護師・保健師:医療分野での経験を活かせる(患者ケアの経験など)
- 教員:教育分野での経験を活かせる(生徒指導や保護者対応の経験が強みになります)
- 人事職:企業内カウンセラー(組織理解と人材育成の経験が有利になります)
- 福祉職:地域支援(対人援助職としての経験を活用できます)
また、キャリアアップのためには、基本的なカウンセリングスキルの向上に加え、それぞれの分野で求められる専門知識やマネジメント能力の習得が重要です。ですので、関連資格の取得や学会発表など、自己研鑽の機会を積極的に活用していきましょう!
【まとめ】心理カウンセラーとは?種類・年収・なり方などを解説
いかがでしたか。カウンセラーという職業は、人々の心の健康を支える重要な役割を担っています。また、ここ最近メンタルヘルス(こころの健康)について、政府も力を入れてきておりカウンセラーの重要性はどんどん増していくと思います。
資格取得には一定の時間と費用が必要ですが、公認心理師や臨床心理士などの上位資格から、産業カウンセラーなど比較的取得しやすい資格まで幅広くあるので、目的に応じた選択が可能です。また、資格を取得するために学ぶだけでなく、学んだことをアウトプットすることがとても大切です。日常生活でも実践することができるので、自然とスキルを向上させることもできます。
収入面では、経験や所属組織によって大きな差があり、一般的な常勤で300~500万円程度、経験を積んでマネジメント層になると600万円以上にもなってきます。金額も大切ですが、心の専門家として、やりがいと専門性を持ちながら、社会に貢献できる魅力的な職業ですので、気になる方はぜひチャレンジしてみて下さい。
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