皆さんこんにちは!近年、メンタルヘルスへの関心が高まっており、メンタルヘルスにつて色々紹介をさせて頂きました。今回は、メンタルヘルスに関連する資格についての紹介です。資格といっても数多くありますが、その中の1つ「メンタルヘルス・マネジメント検定」という資格について、詳しく解説していきます。すでに知っていて悩んでいる方。心理カウンセラーに関する資格取得を考えている方などに役立つ情報となっていますので、ぜひ最後までご覧ください。
メンタルヘルス・マネジメント検定とは?
メンタルヘルス・マネジメント検定は大阪商工会議所、施行商工会議所が主催し、認定している民間資格になります。近年、仕事のストレスで心が疲れてしまい、休職や退職を選ぶ人が増えています。心の健康を保つには、自分自身でストレス解消法を見つけることはもちろん、会社側のサポート体制も大切です。メンタルヘルス・マネジメント検定では、働く人も会社も、元気に過ごせる職場づくりを目標に、メンタルヘルスケアの意識を高めて、職場での立場に合わせて、心の健康を守るために必要な知識や対処法を学ぶことができます。また、商工会議所(営利目的ではない特別認可法人)なので、民間資格ではありますが、国がサポートする団体が運営しているので、公的性の高い資格になります。
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メンタルヘルス・マネジメント検定
公認心理師(国家資格)との違いやメリットは?
メンタルヘルス・マネジメント検定と公認心理師の大きな違いは、取得のハードルと活動範囲にあります。
公認心理師は国家資格で、取得には大学での心理学課程修了と2年の実務経験、または大学院修了が必要です。医療機関や教育機関での臨床経験も求められ、取得までに6年以上と数百万円の費用がかかります。ただし、精神疾患や心理的な問題を抱える人々への治療支援や心理療法を専門とすることができるので、病院や学校、福祉施設など、幅広い分野で専門家として活動できます。
一方、メンタルヘルス・マネジメント検定は、公式テキストや各出版社が独自に作成したテキスト、オンライン講座などで学習を進め、認定試験に合格することで取得可能です。最短1ヶ月、約1万円〜3万円程度で取得でき、働きながら学べるのが特徴です。また、
メンタルヘルス・マネジメント検定試験は、職位・職種別(対象別)に3つのレベルがあり、自身の状況に応じて学ぶことができます。メンタルヘルスについての基礎知識を身につけることができる「セルフケア(Ⅲ種)」からメンタルヘルスケア計画、産業保健スタッフや他の専門機関との連携、教育・研修等できる「マスター(Ⅰ種)」となります。
公認心理師は医療・教育分野を含む幅広い専門性を持つ国家資格、メンタルヘルス・マネジメント検定は、日常生活におけるストレスコントロールや会社運営や社内でのメンタルヘルスケアに特化した民間資格、という違いとなります。目指す方向性や、用意できる時間と費用に応じて選択するといいですね!
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厚生労働省 公認心理師とは
メンタルヘルス・マネジメント検定資格の取得方法
メンタルヘルス・マネジメント検定の資格を取得するには、特別な講座やセミナーに参加するなどの必要はなく、メンタルヘルス・マネジメント検定の資格試験に合格するだけとなります。ただし、メンタルヘルス・マネジメント検定と聞くと1つの資格のように思われがちですが、3つのコース(レベル)に分かれており、活用できる範囲や内容が異なります。心理カウンセラーになる知識がない方や不安な方は、まずⅢ種(セルフケア)の学習から進めていくことをお勧めします。
資格取得までの流れ
- 希望するコースの学習を行う(公式テキスト、通信講座やセミナーなど)
- 試験申込を行う(受験料:Ⅲ種5,280円、Ⅱ種7,480円、Ⅰ種11,550円)
- 試験を受ける(7割以上で合格)
- 試験結果はオンラインもしくは郵送にて確認(1ヶ月程度)
という流れになります。
また、メンタルヘルス・マネジメント検定試験は、「公開試験」(統一試験日に全国15都市で実施)と「団体特別試験」(企業等が任意に試験の日時・場所を設定し実施)の2種類の受験方法を設けています。現在、勤めている会社が試験を実施していない場合には公開試験にて受験となりますので、受験するには日時や場所に制限があります。そのため、学習自体は終わっていても試験が受けられない場合もあります。学習して「すぐに受験したい!」「すぐに資格が欲しい!」という場合には注意が必要です。
メンタルヘルス・マネジメント検定の勉強法と学習時間
メンタルヘルス・マネジメント検定の勉強法は基本的には専門書(公式テキストや問題集)を使って学習していきます。勉強時間については、個人差がありますが、セルフケアコース(Ⅲ種)が30時間程度とされています。そのため、1日1時間の勉強時間を確保できれば、1か月程度で試験に臨むことができます。また、基本的にテキストを使って学習を進めていきますが、大きく分けて3つの方法で学習を進めていきます。
1つ目:独学で学ぶ
公式テキスト(Ⅲ種のセルフケアコース)は2,200円で用意することができ、この中から出題がされるのでこちらを購入して学習を進めていきます。ただし、ほぼ文章で構成がされており、分厚い辞書のような感じが難点です。私も実際に使ってみましたが、自分で要点をまとめることができる場合には良いですが、そうでない場合には、要点を図表や色分けしてくれている他の参考書と並行して使う方が効率よく学習を進めることができるかと思います。
2つ目:通信講座を利用する
通信講座で有名な「ユーキャン」にてメンタルヘルス・マネジメント検定の対策講座を取り扱っております。Ⅰ種(マスターコース)はありませんが、Ⅱ種とⅢ種の対策コースがあります。過去10年で、5,674名(2024年8月現在)の方がこのコースを受講し、試験に合格している実績があります。 公式テキストに加え、合格対策BOOKがあり、図表などを使い要点をわかりやすくまとめてくれています。他にも質問対応や添削サポートに加え、ポイント解説動画などもあります。学習も3〜4ヶ月と基礎から効率よく余裕を持って学ぶことができるので、試験までの学習進行が不安な方にオススメな内容となっています。
また、ユーキャン以外にも「資格のキャリカレ」でも同様な対策講座を取り扱っています。こちらは万が一不合格になった場合には、「全額返金」と「合格すれば、次の講座が無料」という制度があります(2025年2月現在)なので、こちらも初めて受講する方や不安な方にオススメな内容となっています。
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3つ目:オンライン講座を利用する
3つ目はスマホやパソコンを利用したオンライン講座(オンライン予備校)を利用した学習方法になります。様々な資格教材を取り扱っている「スタディング」(女優の川口春奈さんがTVCMなどで出演)で学ぶことができます。(こちらは、無料体験もあるので、本申込前に雰囲気を確認できるので安心です)
先に紹介した2つの学習法とは異なり、オンライン学習のため公式テキストは使わずに独自の教材(動画や音声、webテキスト)にて学習を進めていきます。◯×問題や4択問題などを使い、理解度や復習ができ、本番を想定した模試もあります。また、AIを導入しており、自分の理解度に合わせて復習問題をピックアップしてくれるので、効率よく知識を定着させていくことができます。ただし、スタディングではⅡ種コースのみとなります。そのため、Ⅲ種から学びたい(Ⅲ種を学びたい)という方で、オンライン講座を利用したい方は「ヒューマンアカデミー」で実施しているので、こちらを利用してみるのも良いかと思います。
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ヒューマンアカデミー メンタルヘルス・マネジメント検定対策講座
メンタルヘルス・マネジメント検定の資格試験内容
「初めての方でも学びやすいのはわかったけど、学んだ後の試験が心配」というかたも、多いかと思いますので、試験の内容についてもう少し詳しく紹介したいと思います。
試験日程について
企業による団体受験もありますが、ほとんどの方が一般受験となります。一般受験の場合には年2回(例年3月と11月に実施)となります。また、開催日に加えて、開催場所も決まっており、札幌、仙台、新潟、さいたま、千葉、東京、横浜、浜松、名古屋、京都、大阪、神戸、広島、高松、福岡の15拠点となります。
試験の問題内容について
試験時間は2時間(Ⅰ種は3時間)となっており、公式テキストに準拠した内容が出題され、Ⅱ種とⅢ種はマークシートを利用した択一式の出題形式となります。当日の持ち物として、受験票と筆記用具(HBまたはBの黒鉛筆もしくはシャープペンシル、プラスチック消しゴムのみ)と身分証(免許証や学生証、マイナンバーカードなど)が必要となります。また、Ⅲ種に合格していなくてもⅡ種に受験することができます。そのため、初めからⅡ種試験を受けることもできますし、開始時間が違うため同じ日にⅢ種とⅡ種を受験することもできます。
受験者数や合格率について
メンタルヘルス・マネジメント検定は、公開試験(一般受験)を年2回実施しており、2023年度の受験者数は約35,000人受験しており、年々受験者数が増えています。(2013年度は約20,000人、2018年度は約30,000人)また、2023年度の受験者数と合格者は下記の図のようになります。
受講者や合格者の声
メンタルヘルス・マネジメント検定の合格者の声をまとめてみました。
就活生・学生
- 就職活動で自分の強みとしてアピールでき、面接官からも評価されました
- 内定先の企業研究をする中で資格取得を決意。社会人になる前に基礎知識が身につきました
人事・管理職(Ⅰ種・Ⅱ種)
- (45歳・男性)部下の心の不調に気づくポイントが分かり、早期対応ができるようになりました
- (38歳・女性)チームリーダーとして、メンバーのメンタルケアに自信を持って取り組めるようになりました
- (50歳・男性)管理職として必要な法的知識から実践的な対応まで、体系的に学べました
一般社員(Ⅲ種)
- (28歳・女性)仕事のストレスと上手く付き合えるようになり、心にゆとりができました
- (34歳・男性)自分だけでなく、周りの同僚の変化にも気づけるようになりました
- (32歳・女性)在宅ワーク中のストレス管理に役立つ知識が得られました
転職希望者
- (35歳・女性)職場のメンタルヘルスに関する知識をアピールでき、希望の企業に転職できました
- (42歳・男性)前職での経験と資格の知識を組み合わせて、キャリアアップにつながりました
などの声がありました。調べたところ、特に30代~40代の方々からは、実践的な活用についての声が多く寄せられている印象を受けました。
メンタルヘルス・マネジメント検定が活躍するところ
メンタルヘルス・マネジメント検定を取得した人たちがどんなところで活躍しているかを紹介したいと思います。
その1:大手企業の人事・労務部門での活躍
トヨタ自動車やパナソニック、NTTグループなど、大手企業の人事部門で活躍している人の資格取得も増えてきています。取得したのちに「社員の笑顔があふれる会社にしたい」という思いで、新入社員研修でのメンタルヘルス講座の企画から、ストレスチェック後の個別相談まで、きめ細かなサポートを行っているようです。また、三菱UFJ銀行などの金融機関でも、長時間労働対策と併せて、従業員の心の健康づくりに力を入れています。
その2:医療・福祉分野でのリーダーとして
病院の看護師長さんや介護施設の管理者さんの取得も増えてきています。その背景として、患者や利用者だけでなく、共に働くスタッフの心と体の健康を見守る役割もあるからです。たとば、夜勤や緊急対応など、医療・介護の現場特有のストレスに気を配り「今日は大変だったね」「少し休憩しない?」といった何気ない声かけを大切にしているそうです。
福祉施設のケアマネージャーさんは、利用者さんへのケアと同時に、チームメンバーの心の健康にも目を配り、定期的な個別面談でスタッフの悩みに耳を傾けています。忙しい時期には業務の分担を工夫したり、リフレッシュ休暇の取得を促したりと、働きやすい職場づくりに役立てているそうです。
その3:産業保健スタッフとしてのサポート
大手小売業では、産業保健師さんが中心となって従業員の健康管理をサポートしています。そこで、資格を取得し、接客業特有のストレスへの対処法をアドバイスしたり、繁忙期の健康管理について部署ごとに話し合う機会を設けたりすることができます。
また、IT企業などでも、デスクワークによる心身の疲れや、在宅勤務で感じる孤独感への対策として、オンラインでの健康相談窓口を設置したり、産業医の先生と協力しながら、一人ひとりの状況に合わせた細やかなケアを提供することができるようになります。職場のメンタルヘルス改善のための具体的な提案も行い、より働きやすい環境づくりを進めていけます。
その4:キャリア支援のエキスパートとして
人材開発部門や、大手人材派遣会社のキャリアカウンセラーとして、転職やキャリアの相談に乗る際、相談者の方の気持ちに寄り添ったアドバイスができると評価されています。「転職先でいきいきと働いてもらいたい」という思いを込めて、職場環境や企業の健康経営への取り組みについてや社会保険労務士として企業のメンタルヘルス対策をお手伝いしたり、EAPカウンセラーとして従業員やご家族の心の相談に対応したりと、様々な形で皆さんの心の健康をサポートしています。
その5:公的機関での活用
地方自治体の職員さんや学校の先生方も、職場のメンタルヘルス向上に熱心に取り組んでいます。ハローワークの職員さんは、就職活動中の方々の不安や悩みに共感しながら、前向きな気持ちで求職活動を続けられるようサポートしており、労働基準監督署の職員さんは、企業訪問の際に、働きやすい職場づくりのアドバイスもしています。学校現場では、先生方自身のストレスケアはもちろん、生徒さんや保護者の方々への対応にも、資格で学んだ知識が役立っているそうです。
このように、資格取得者は様々な場面で活躍しています。特に最近は、「従業員の心の健康が会社の財産」という考えが広がり、中小企業でも資格取得を応援する動きが増えてきているんです。一人ひとりの心の健康を大切にする、そんな職場づくりの輪が広がっています。
【注目の資格】メンタルヘルス支援士(民間資格)
最後に今注目されている資格「メンタルヘルス支援士」についてご紹介いたします。
メンタルヘルス支援士は一般社団法人 人間力認定協会が認定する民間資格となります。
人間力認定協会は発達障害支援の代表的資格でもある「児童発達支援士」を認定している団体であるため、信頼性は十分にあると言えるでしょう。弊社でも児童発達支援士のノウハウの一部を導入しています。児童発達支援士などの発達障害関連資格の累計受講者数は4万名を超えているようです。(2025.2現在)
メンタルヘルス支援士は発達障害関連の資格というわけではなく、その名の通り「メンタルヘルス(心の健康)」を向上させることを目的とした資格となっています。メンタルヘルス支援士講座で学べる内容は、以下のようになっています。
- 精神疾患に関する基礎知識
- 発達障害と精神疾患・依存症の関係性
- 認知行動療法の種類と基礎知識
- カウンセリングの基本姿勢
- カウンセリングに役立つ心理学テクニック
この資格に内容や難易度が類似する資格としては、キャリカレの「メンタル心理カウンセラー」があげられます。その際の違いという点では、発達障害やその二次障害との関連性を学べる点と言えるでしょう。発達障害の専門資格を扱っているだけあり、そこは強みの一つのようです。
またメンタルヘルス支援士は「DSM-5TR」に基づいた表記がされていることも特徴の1つです。DSMというのは、アメリカ精神医学会が発刊している医学書のことですが、2022年に最新版となる「DSM-5-TR」が発刊されました。それまでは2013年に発刊された「DSM-5」という医学書がベースとなっていました。およそ9年ぶりに情報が更新されたのですが、その最新情報に対応している資格だということです。精神疾患や発達障害関連の研究は現在も進んでいるため、学ぶのであれば新しい情報であるにこしたことはないでしょう。DSM-5-TRでは、より差別感のでない表現や理解しやすい表現が重視されているので、受講する際にも気持ちよく学ぶことができるのかもしれません。興味のある方は下記より特設サイトをご覧ください。
[メンタルケア資格]メンタルヘルス支援士の内容や試験概要をご紹介
【まとめ】メンタル心理カウンセラー資格とは?特徴・取得方法を徹底解説
メンタルヘルス・マネジメント検定は、働く人たちの心の健康と活力ある職場づくりを目指しており、「心が疲れた」と感じる前に、どうケアすればいいのか。周りの人の小さなSOSにどう気づけばいいのか。そんな実践的な知識を学び活かすことができる資格になります。
心理系の認定講座ということで、難しいイメージもありますが、年齢や職業に関係なく、3つのコースで分けられているので、どんな方でも取り組みがしやすいようになっているのが特徴です。学習期間もⅢ種とⅡ種であれば1ヶ月〜4ヶ月と短いので、心理カウンセラーに興味を持った方や現在の仕事に活かしたい方が取得するのに便利な入門資格のひとつといえます。
自分自身のキャリアアップはもちろん、職場の仲間の心の健康も一緒に考えていける。そんな素敵な資格として、今、大手企業をはじめ、多くの人から注目されているんです!働く人をサポートする資格となっているので、仕事で活かしたい社会人の方やこれから就職をする方におすすめの心理系資格の一つです。
メンタルヘルス支援士のお申込みはこちらから。人気のメンタルケア・心理カウンセラー関連の資格。精神疾患の種類や特徴を理解し…