ADHD(注意欠陥・多動性)の子どもが伸びる接し方

ADHD(注意欠陥・多動性)の子供を伸ばすためのアプローチ方法について確認していきましょう。まず根本的なこととして「自己肯定感を高めることを意識する事」これが一番大切なこととなります。

そのうえで、他にも意識すべき点というものを見ていきましょう。

ADHD(注意欠陥・多動性)の子供が伸びる接し方

ADHD(注意欠陥・多動性)の子供は社会生活の中でも、基本的なことが出来ない(苦手)ことが多く、他者からみたときに怠慢しているのではないか?ふざけているのではないか?喧嘩をうっているのではないか?と勘違いされてしまいがちです。

そのためまずはADHD(注意欠陥・多動性)というものがどのような特徴があるのかある程度把握しておく必要があります。

  • 座っていなければいけない場面で席を離れる
  • TPOを考えず走り回ったりしてしまう
  • いっぽうてきにしゃべりすぎてしまう
  • 順番を待つことが苦手である
  • 他者のゲームや会話を邪魔してしまう

大まかにいうとこのような特徴があります。

細かくは別の記事でチェックリストを作っているのでそちらをご覧ください。

外部リンク
【協会監修】ADHD・自閉症診断テスト|子ども発達障害チェックリスト

では特徴を踏まえたうえで、接し方についてみていきましょう。

ADHD(注意欠陥・多動性)の子供には「まず誉める」

ADHD(注意欠陥・多動性)の子供は、人一倍「誉められたい」という欲求が強いといえます。それは、そそっかしかったり、集中力にかけていたり、計画性も欠いている場合が多いので、周りの十分な理解をされずに、結局反発を招いてしまうことが多いです。

それが度重なってくると、ADHD(注意欠陥・多動性)の子供はやる気をうせてしまうのです。そのため別記事でも紹介した通り、不安障害や気分障害に繋がりやすいといわれています。

関連記事
ADHD(注意欠陥・多動性)の30%がうつ病(気分障害)を併存している!?

ですから、上手に誉めてあげることが大切です。そのためには、子供の特性やADHD(注意欠陥・多動性)の特性をしっかりと頭に叩き込んでおく必要があります。そうすることがまず第一歩で、ご自身のアンガーマネジメントになると思います。

子供のオリジナリティに焦点をあて、ひとつ誉め、その後に改善点を一つ伝える。このようなバランス感覚と順番をお勧めします。順番が逆になると子供は聴く耳を持ちませんのでご注意ください。

注意するときには一つだけ。というのも大切です。一度に「これができていない」「あれもでしょ」と2つ3つ言っても、伝わりません。ただ傷つけるだけです。もし2つ3つ言ってすぐ治るのであれば、そもそもお子様はADHD(注意欠陥・多動性)ではないわけです。

指導するのは自分のストレスを吐き出すためではなく、子供のスキルアップのためです!そのことを念頭に置いて、まず誉める!ということを徹底していきましょう。

ADHD(注意欠陥・多動性)の行動改善にはビジュアル化が大切

ADHD(注意欠陥・多動性)かどうかに限らず、何事も初めてやることを覚えるにはひとつずつ丁寧にというのが基本です。運転をするにも、新しい職場で職務をこなすにもひとつずつが基本です。

しばらく慣れれば順番を意識せずとも効率的に行うことが出来るようになります。つまり頭ではなく、体で覚えるといったところです。

体で覚えるために「パターン化」しておくことが必要です。そのためADHD(注意欠陥・多動性)の子供への行動の指導においては、たとえば、片付けるべき場所に写真や絵を描いておくような工夫が有効です。これはワーキングメモリーの少ないADHD(注意欠陥・多動性)の子供には負担が少なくて済むのできちんとできるようになります。

簡単にいうと、「言葉での指示」ではなく、「ビジュアル化」させることが大切ということです。

通常は、「言葉で聞いた⇒頭でそのことをイメージする⇒行動する」となります。ただ言葉からの連想を想い描くことは少し難しいことです。そのため「言葉で聞いた」という部分を省き最初から「頭でそのことをイメージする⇒行動する」とすると効果的であるということになります。

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ADHD(注意欠陥・多動性)の子供の自己肯定感を高める

多感な成長期を誉められて過ごした子供と、自尊心が下がってしまった状態で大人になった場合とでは、大きな差があります。これは俗にいう「自己肯定感」の話です。

教育の話や発達障害児への接し方の話の中で必ずと言っていいほどテーマに上がるのがこの自己肯定感です。

自己肯定感がなぜ大切か?
ひとことで言い表すなら「その子の人生を決めるから」です。

物凄くわかりやすい例でいうと、社会にでて上司から叱られたときに「なんで俺ばかり言われなきゃいけないんだ!あいつはいつもそうだ!」と思うのか、「○○さんの助言いただけて助かった!本当にいつも有難い」このように思うのか。これが自己肯定感が高い人か低い人かの差です。

つまり自己肯定感が高い状態で育った人は、すべての事象(叱られるということでさえ)プラスに捉えることができます。いわゆる根っからのプラス思考とでも言いましょうか。それに対して、低い場合はマイナス思考となってしまいます。またプラス思考の人は積極的!という特徴があり、マイナス思考の人は消極的・・・ということにもつながってしまいます。

どちらの思考法を持った人が、人生を楽しめるのか幸せを感じやすいのかと言われれば間違いなくプラス思考の人だと答えると思います。

これが自己肯定感の大切さです。

ADHD(注意欠陥・多動性)の子供は、様々なことで注意されてしまいますから、どうしても自己肯定感が下がりがち。その結果不安障害や気分障害に繋がって「しまうということです。自己肯定感については様々な考え方がありますが、保護者が最も大きな影響を与えます。他者に「あんたアホだね」と言われるのと、親に「あんたアホだね」と言われるのでは、100倍親に言われるほうが影響力が大きい。これは皆さんも理解できるでしょう。

ですから、保護者である皆さんが子供の自己肯定感を高めるような言葉がけ働きかけをする必要があるということです。

そのための具体的な方法は別の記事で紹介していきますのでそちらをご覧ください。

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発達障害児の自己肯定感を高める3つの掟

【まとめ】ADHD(注意欠陥・多動性)の子供が伸びる接し方

今回の記事では、

  • ADHD(注意欠陥・多動性)の子供には「まず誉める」
  • ADHD(注意欠陥・多動性)の行動改善にはビジュアル化が大切

以上の2点をまずは実践してみてください。それだけでも「叱る」量が減り、「誉める」量が増えると思いますので、子供の自己肯定感が高まることに繋がっていきます。実はこのことは、ADHD(注意欠陥・多動性)の子供であろうがそうでなかろうが変わりません。つまりみな「子供」なのです。いやもっと言えばみな「人間」なのです。お子様が特別なわけではありません。みな、人間であり同じようなものです。特性が違うだけです。そう思えるだけでも気持ちが楽になるではないでしょうか。

保護者の気持ちが楽になる。それが一番お子様にとっても大切なことかもしれません。

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