発達障害児の大きな課題の一つと言えるのが「コミュニケーション力」です。相手の表情から相手の気持ちを察したり、その場の空気を読むことが非常に苦手であるために、人間関係のトラブルが後をたえません。子供同士のトラブルも多くあるでしょう。しかしコミュニケーションに関係するトラブルは事前の準備をしておくことで回避することが出来る場合も多いのです。具体的なトレーニング方法を理解し、トラブルを未然に防ぎましょう!
発達障害児のコミュニケーションを改善するトレーニング方法
発達障害児は、場の空気を読んだり、相手の感情を想像して動くと言う事に難しさを感じることが多いものです。そのせいで、学校でトラブルになり、いじめや仲間外れ、不登校に繋がってしまうと言われます。
しかし、このすべては「ちょっとしたコミュニケーションのずれ」なのです。いじめのきっかけは大きなことがあったから!ではなく、ほとんどの場合小さな出来ごとをきっかけとして発生しています。
そこでこの記事では、発達障害児がコミュニケーションを起因としたトラブルを回避するために、コミュニケーショントレーニング方法について確認していきます。この記事のソースは、子供のコミュニケーショントレーニング教室を全国で初めてオープンした当社マナカルの教育方法をもとにしています。興味のある方はマナカルのホームページをご覧ください。
まずは話すことに対する悪印象を払拭
発達障害児の中には、話をすること、人とコミュニケーションをとることに対して、マイナスのイメージを抱いている子が多くいます。特に小学校中学年以降になるとその傾向が顕著になるかもしれません。
幼稚園児までは何を話しても自由だったし、ある意味皆耳を傾けてくれた。しかし小学校に上がると、自由に話すというよりも「正解」を求められることが多くなります。そうなると失敗体験を何度も経験してしまう。その結果悪印象がついてしまうというロジックです。
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そのため、まずは「コミュニケーションをとることは楽しいことだよー」と脳にイメージを植え付けることが最も重要です。ここがなければどんなに、話術の練習をしても意味がありません。
話を聴いてあげる土台を完璧にする
コミュニケーションは楽しいと思わせるためには「話を聴いてあげる土台を完璧にする」ということです。ここをないがしろにしてはいけません。
小学校のクラスをイメージして下さい。自分の自己紹介をする時に、おしゃべりをされていたり、後ろを見ている生徒がいたり、ヤジを飛ばしてくる生徒が居たらどうでしょうか?うまく話せますか?いや、難しいですよね。恐らく大人でもその環境で話をしなさいと言われたら大変です。
逆にみんなが、自分の方を見て、興味津々って顔をしてくれていたらどうでしょうか?幾分話しやすく成りますね。そして自分が話し始めても、誰も脱落せず、最後まで相槌を打ちながら、時折笑顔を見せながら話を聴いてくれたらどうでしょう?調子に乗ってペラペラと話し始めるのではないでしょうか?
つまり、ここが一番の肝なのです。小学校に上がったら、コミュニケーションや発表が苦手になるのがここなんです。「誰も聞いていない」この環境で発表させられるって辛いです。どうにか学校でもこの部分に着目し、改革してほしいものです。
ですから、お子様が話をする際には、「〇〇しながら聴く」のではなく、手を止めて体を正面に向けて、目を見て話を聴くようにしましょう。
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どんなに下手な話でも必ず承認をする
話を聴く土台が出来ても、注意しなければいけない点があります。それが、途中で口を挟むと言う事。これもしたくなる気持ちはよくわかるのですが、グッとこらえてください。
「え?どういういみ?何が言いたいのかわからないんだけど」
こんな事言われたら凹みます。会社で上司に言われたら凹みますよね。子供も一緒です。親は時として、自分の心の余裕のなさから冷たい言葉をぽろっと子供に浴びせてしまうことがあります。しかしその言葉を冷静に拾ってみてみると、結構ひどい(笑)
そのため子供が話をしてくれたらどんなに意味が分からなくても、
- 「そうだったんだ!それで、それで!?」
- 「お話し上手になったね!」
- 「すごく分かり易かったよ!」
このような形の言葉をかけてあげましょう。その時にも、目を見て笑顔で言葉をかけると良いでしょう。しかしこれでは、間違った表現を直せないじゃないか!と思われた方もいるかもしれませんが、今はその段階ではありません。まずは、子供が「話すことって楽しい」と思えるまではそれでいいのです。楽しいと思えば、自然と口数が増える。口数が増えれば自然と上達します。
もし万が一誉め言葉が浮かんでこない場合は、ある必殺技を使いましょう。
それは、「笑顔で全力で拍手!!!」
これで完璧です。子供だましではなく、本当にこれで完璧です。絶対に人間は「ニヤつきます」(笑)子供も大人も関係なく、絶対にです。
ここまでで「話すことが楽しい」という土台が出来ました。これだけでもかなりの進歩ですので、素晴らしいことです。ここまでクリア出来たら次に進みましょう。
なるべくお手本をしっかりと見せる
コミュニケーション力を上げるためには、いきなり子供に本読み等をさせるのではなく、まずはお手本を見せましょう。発達障害児の場合は、特に何度もお手本を見せてあげましょう。そしてその後に繰り返しやらせる。
具体的には、本読みの練習をする場合、親が2回先に読む。子供が1回読む。これを10回繰り返すと良いでしょう。この際、上手に読めなくても親御さんが焦らない事。イライラしないことが大切です。10回繰り返してもうまくならないかもしれません。それでもいいのです。絶対に無駄にはなりませんから、一歩一歩ゆっくり歩みを進めていきましょう。
読み間違いの指摘もあまりしないほうがいいでしょう。こちらが指摘して直すではなく、子供が自ら「あ、違ったわ」と気づくことが大切なんです。そのために親が先に2回読むとしています。「気づいたこと」と「教えてもらったこと」では脳への定着率が全く違います。そのため「気づかせる」と言う事をキーワードにしてください。
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ケーススタディを何度も繰り返す
そして、最後はケーススタディを何度も繰り返すことです。発達障害児はそのとき頭に浮かんだ言葉を、そのままポンっと言ってしまうところがあります。それはそもそもその言葉を言うとなぜいけないかがわかっていないからです。
これはケーススタディをすることで発達障害児もしっかりと学んでいきます。
そのため、お友達から遊びに誘われた時の断り方や友達に何かを貸してもらうときの言い方等、具体的なケースを想定して、この場合はこういうといいいよと言って一緒に練習をしましょう。繰り返し言いますが、この点は訓練によって改善できます。
ただ自宅でケーススタディをすると言っても、どのようなケースを用意すべきか、どういうのがベストな回答なのか分からない場合もあるでしょう。そういう場合は、民間でもコミュニケーショントレーニングを実施している教室にお願いしたほうが良い場合もあります。
自宅でやったほうが当然コストは安いです。しかし、親御さんにかかる負担は結構なものです。また我が子だからこそ、感情が入ってしまいます。しかし教室であれば、お金はかかりますが、感情が入らないからこそ、淡々とトレーニングをしてもらうことが可能だと私は感じています。これは大きなメリットだと思いますよ。
【まとめ】発達障害児のコミュニケーションを改善するトレーニング方法
以上となります。
コミュニケーション力はすぐに改善されるものではありません。また場数を踏まないとスムーズにはいかないものです。
かなり根気のいる作業かもしれませんが、お子様の人生を左右するほど重要なスキルであることは間違いありませんから、是非すこしずつ取り組んでみてください!