皆さんは習慣化することが得意でしょうか?何かを習慣にしようと思った時にスムーズに出来ますか?例えばダイエットや食事の改善、読書、勉強、ウォーキングなど。何であっても良いのですが習慣化させるためにはコツがあります。そして脳科学で実証されたあるルールもあります。そこを抑えることで習慣化が簡単になり、子供の自主性や主体性が高まっていくのです。では具体的な方法を確認しましょう。
【子育て支援】子供の自主性・主体性を高める”習慣化”の方法
さっそくですが、自主性と主体性の意味を確認しましょう。
自主性とは、決められたことを自ら行う事。
主体性とは、決められてはいないが、自らテーマを持ち行動する事。
日常生活に置き換えてみると、「ご飯を食べたら歯を磨く」これを親に言われずやることが出来るようになったら、自主性が身についた。となります。外から帰ってきたら手洗い・うがいをする。夜寝る前は、翌日の支度をしておく。など、これらはすべて自主性と言われるものです。
自主性を身に付けさせるためには、ルールを事前に決めておくということが重要です。あくまで決めたことを自らできる。ことが自主性です。そのため事前に双方が納得の上つくったルールが必要ということです。
これに対して、主体性とは、親には言われてはいないけど、「出かける前には必ずお部屋の掃除をしておこう。そのほうが帰ってきた時にすぐ遊べる!」などと自ら考え、自らその行動を起こすことを主体性と言います。
それぞれの違いはイメージできたかと思います。そのうえで大切な理解を一つしておきましょう。それは「自主性があっての主体性」ということです。やるべきこともできないのに、自分でテーマを持ちやるというのは、社会では通用しませんし、ただたんに好き勝手やっていると思われても仕方ありません。
そのためお子さんが今、自主性を育てる段階なのか、主体性を育てる段階なのかを見極めることが大切ということです。また、ほとんどのお子さんが「自主性」の段階で止まっていることが多い。にもかかわらず保護者は「主体性」を求めていることが多い。これでうまくいくことはありません。
第一段階である自主性を育むためには、あらゆる決め事を”習慣化”させる必要があります。習慣になれば、無意識でその行動がとれるようになるわけです。つまり自主性とは習慣がカギになるということがわかると思います。
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【習慣化のポイント①】達成時のワクワク感をイメージする
まず習慣化させるには、「なぜ」という動機が必要です。ここが弱いとなかなか習慣にはなりませんので、同機は明確にして、なるべく心が高まる動機にまで育て上げてください。まずはここが重要です。
そのうえで、習慣化できたときの姿をイメージします。子どももこのくらいの想像はできます。保護者がイメージを一緒に膨らませてあげるとより良いでしょう。
- 「早起きが習慣になり、朝から勉強も遊びも楽しんでいる自分」
- 「宿題が習慣になり、学校でみんなからスゲーって言われている自分」
- 「読書習慣がつき、知識が増え賢いと誉められている自分」
これらをなるべく鮮明に繰り返しイメージしましょう。人のイメージ力はとても素晴らしく、現実とイメージを錯覚させるほどなのです。
実験名:梅干し理論(笑)
酸っぱい梅干しを食べて、口の中に酸っぱさが広がっているイメージをしてみてください。どうですか。いとも簡単に唾液分泌量を増やすことができたでしょう。ここではイメージしかしていないのに、現実(唾液量)が変わったのです。イメージの重要性はわかったかと思いますが、なぜイメージする必要があるのか。それは、人間のホメオスタシス機能に打ち克つためです。人間は、変化を嫌い、変化があると元の状態に戻ろうとします。これをホメオスタシス機能(恒常性維持機能)と言います。これがあるがゆえに新しいことを習慣化させるのが難しいです。この厄介なホメオスくんを攻略するには、仲間にするしかありません。つまりイメージを繰り返すことで、新しく習慣に取り込みたいことが「普通だ」と思わせるのです。それが普通になれば、そうじゃない状態に戻ろうとしても、今度はホメオスくんが援護してくれて、良い習慣の状態に戻そうとしてくれるってことです。
【習慣化のポイント②】60秒以内に快感を得る
これはシンプルです。脳は習慣化ネットワークに入れるかどうかを決めるときに、ある一つの基準に従って判断をします。それがこの「快感」ということなのです。脳が快感を得たことしか習慣にはしない。当然と言えば当然でしょう。ですから、子供さんに歯磨きを習慣にしたければ、歯磨きをしている子供を見つけてはすぐ「ほめる!」これだけでOKです。もし1回くらいうまくいかなくても、せめてはいけません。「歯磨き=いやなこと」という回線を作らせないことがポイントです。ですから、歯磨きに対しての肯定的なイメージがつくように、日頃から工夫をしましょう。
【習慣化のポイント③】200回繰り返す
そして脳を快感にする回数は200回!たいへんですね~(笑)200回繰り返すことで脳の習慣化ネットワークに組み込まれるといわれています。さらにインパクト大の快感は5回分や10回分に相当するので、インパクトということも意識するとよいでしょう。たとえば、人前で発表することを習慣化したい場合は、1対1で話をする成功体験より、500人の前で話をする成功体験のほうがインパクトがでかいわけです。
しかしひとつ注意点もあります。それは「マイナス」もありうるということ。失敗体験や脳内で「不快」を感じさせる意味づけをしてしまうと、せっかく頑張って貯めた快感回数を削ることになります。ですから、習慣化させるときの一番の敵は「叱責」です。子どもを「なんで歯磨かないの!いつも言ってるでしょ!」と叱責すると、マイナスになります。ここはぐっとこらえましょう。大変ですけどね(笑)
習慣化できたら自主性はOK!次のステップ主体性へ!
ここまで紹介した3つの方法で、習慣化が今までよりも出来るようになるはずです。なんでもいいので、まずは習慣についての癖をつけることが大切。そのため最初は、簡単な習慣から始めたほうがいいでしょう。
食事の時箸を準備する、食事を食べたらお皿を下げる。など簡単なものから。そこで習慣の癖付けをしていければ、あとはどのようなことでも同じような感覚で習慣化することが出来るようになってきます。習慣化(自主性)を育てるためには、結構な我慢力が必要になることでしょう。イラっとするかもしれませんが、ぐっとこらえる。そういうタイミングが多々ありますが、叱責はマイナスに働くことがあるので要注意です!
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そして、習慣化に成功し自主性が同時に身に着いたら、いよいよ主体性へとステップアップしていくわけです。ここからは「親が過干渉・過保護にならない」ことが大切です。子どもを信じて「いいんだよ、自分で考えてやってみて」というスタンスを取り続けましょう。また「失敗してもいいんだよ。むしろ失敗大歓迎!」というスタンスも併せて持っておくと良いでしょう。