【発達障害児の家庭支援】肯定的な言葉が子供を伸ばす

発達障害児の本当の問題は「2次障害」だと言われています。2次障害とはいじめや不登校、引きこもりなどのことを指します。なぜ発達障害児はそうなりやすいかといえば、やはり出来ないことが多く他者から否定されたり、罵倒されることが多くなるからです。その結果自己肯定感が低下しまうのです。そこで少しでも自己肯定感を高めるために、否定語ではなく肯定語で子供を伸ばす方法を紹介します。

【発達障害児の家庭支援】肯定的な言葉が子供を伸ばす

皆さんは、次の二つのうちどちらの言われ方が好みですか?ここでは旦那様に言われている場面を想像してください。

パターン①
「暗い部屋でスマホをいじったらダメだ」

パターン②
「部屋を明るくしてスマホを見ようよ」

恐らくパターン①で言われたら、喧嘩スタートですね(笑)でも②であれば、「そうね」となりやすいのではないでしょうか?これってここに私がわざわざかくまでもなく、皆さんにとっても「当たり前」のことでしょう。しかし、次の質問はどうでしょう?

「あなたはお子さんに言葉がけをする際、①と②どちらの伝え方をしていますか?」

さぁ、当たり前のように理解しているはずのことなのに、子供に対してパターン①で接してしまっている方がほとんどではないでしょうか。もし②の接し方を常にできているという場合は、この記事は読まなくても結構です。この記事では、否定的な言葉ではなく、肯定的な言葉で伝える重要性を説いていきます。

現状ではなく、望んでいることを具体的に伝える

否定的な言葉と表現してきましたが、そうではなくお母様としては「現状」をそのまま口に出しているのです。その現状が誤っていることが多いので、どうしても否定語に聞こえてしまうということです。例えば夜遅くまで起きているときに「いつまで起きているの!?寝ないとダメでしょ!」というのも完全に現状を伝えています。

でもお母様の望んでいることは、「早く寝る」ということ。それであれば「早く寝ようね~」というだけ。と、ものすごーくシンプルなんですよ。

子供がご飯を手で食べるようなしぐさを見せたら「手で食べないの!」が現状を言っている状態。これを望む形に変換すると「お箸で食べようね」となります。

部屋が汚いときに「なんでこんな汚いの!ぐちゃぐちゃじゃない!」というところを、「お片付けしましょうね」という。これだけです。「現状」ではなく「望むこと」を伝えるということを意識しましょう。誰でも必ずできることです。

しかし、、、、難しいのはお母様自身の感情コントロールでしょう。何度言ってもいうことを聞かないとなると、どうしても感情的になって「現状(否定語)」を言いたくなってしまうものです。そこをぐっとこらえる訓練は必要かもしれません。

私なりのコツを申し上げますと、「ロボットになろう」ということです。子どもは(特に男児や発達障害児)は、こちらが何か声をかけても、無視することが多々あります。しかし教育業を10年以上やってきて感じるのは、それは無視ではないのです。本当に「聞こえていない」のです。独自の世界に入り込むので、本当に聞こえないのです。そのため、話しかけたときに「無視された!!」と思うのではなく、「お、集中してて聞こえてないな?!」と思う。たったこれだけでもストレスは軽減されます。

そして、ハッと気づくまで声掛けを同じトーンで、何度も続けるのです。そこに感情を入れ込んではいけませんよ。絶対にイライラしますから(笑)

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否定語が子供の自己肯定感や自尊心を傷つける

じつは、否定語を使ってはいけない理由は、自己肯定感を傷つけるからなのです。発達障害児は、ただでさえ他の子から理解されなかったり、兄弟の中でも自分がちょっとおかしいということを気づいています。

そこで傷ついている子供たちも多いものです。そのため2次的障害と言われる、不登校や引きこもり、自殺に繋がってしまうのです。発達障害児を育てる際に、いやどのような子供でも同じですが、最も大切なのは「自己肯定感を高める接し方」をするということです。これ以上に大切なことはありません。長年教育業をして数千人のこどもたちと保護者を見てきて断言できます。自己肯定感の高い子供は、伸びるし周りからも愛される。そしてその親の傾向は、「笑顔」「程よい距離感」「任せるところは任せる」ということができている方です。程よい距離感や任せるところは任せるという行為は「子供を信じている」という姿勢の表れです。それを感じた子供は当然自己肯定感が上がります。

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過保護や過干渉がいけないとよく言われる一番の理由は、子供自身が「自分は無能だ」と感じてしまうことです。つまり「自己肯定感が下がる」こと。親は良かれと思ってやるのですが、その結果軟弱なメンタルの子供になり、一生苦しみます。

このことはあらゆる書籍でも言われていることですし、私自身も経験上間違いないと思います。ご自身にもそういう傾向があるかも、、、、と思われたら今すぐに行動を改めてみましょう。何かが変わるかもしれませんよ☆

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気軽な皮肉や冗談も本気で捉えられているかもしれません

発達障害児は、言葉のニュアンスを掴むのが苦手だったりします。そのため、通常であれば「ジョークだよ」ですむところが「僕ってバカなのか。。。」と本気で考え込んでしまうことがあります。

そのため、基本的には直接的な言葉を使うようにしましょう。直接的な言葉というよりも、その子自身がイメージのわく言葉を使ってあげるということが大切です。言葉に対する認識もそれぞれ異なるため、「バカ」を馬鹿にされたと思う場合もあれば、愛情をもっていじられたなと思う場合もあるでしょう。このあたりは難しい部分ですので、個人個人での対応が必須です。その子がそれぞれの言葉をどう認識するかよく観察しながら、適切な言葉をチョイスするようにしましょう。

でも、基本はシンプルでわかりやすい言葉。これが基本です。

【まとめ】肯定的な言葉が子供を伸ばす

以上となります。

案外簡単な事なのにうまく出来ていない方が多いでしょう。それはなぜでしょうか。恐らく多くの場合は「感情」が邪魔しています。感情が高ぶっておらず余裕がある時ならできるでしょう。でも発達障害の子育てをしていると「余裕がある時」なんてないよ!と。それもその通りです。本当に大変だと思いますから。しかしそれでは永遠ループで事態は変わりません。少しでも余裕を持つためにも正しい知識を持ち、子供にアプローチすると良いでしょう。