死んだ魚の目とは何とも残酷な表現ですが、日本の満員電車風景をそのように揶揄されることがあることをご存じですか?
もう少しショッキングなことを言うと、私は教育機関で10年以上勤務をしており、数千人の子供たちをみてきました。そこで感じるのは、
「大人になる過程で子供たちの目も、徐々に死んだ魚の目になって行っている。
園児<小学生<中学生<高校生。。。全員とは言わないが、少なくとも50%の子はそうである」
これが私が感じているショッキングな事実です。そうならないようにするためにはどうするべきか。そしてそもそもなんでそうなっているのかを見ていきましょう。
【子育て支援】子供の目が輝き、主体性を育む方法
先ほどの話は本当に大げさではありません。皆様も感じたことがあるかもしれません。同じ幼稚園に通っていた○○君が小学校になじめていないらしい。中学校から不登校になってしまったようだ。このような話が身近にゼロという方のほうが少ないでしょう。
でも、もう一度さかのぼりますが、その子たちは園児の時からそういう気質を持っていましたか?あなたは予想できましたか?そしてその家庭の保護者は変な人でしたか?恐らくいずれも「NO」だと思います。気質もなかった。予想も出来なかった。保護者もごく普通の方だった。なのに、結果としてそうなっているのです。
いったいこの原因はどこにあるのでしょうか。今回は私の教育業の経験から解説をさせて頂きます。
子供の目の輝きを奪ったのは、、、
子供の目の輝きを奪ったのは誰か。結論から申しますと私たち「大人(保護者や指導者)」です。
すみません、気を悪くされたかもしれませんが、勇気をもってこのまま読み進めて下さい。必ず最後には解決の道が見えます。そして明日から子供さんの目の輝きが変わるはずです!
では、大人が子供の目の輝きを奪った原因は何なのか見ていきましょう。
大きく2つの原因が考えられます。
1つ目は、親の過保護過干渉
まず最初にあげられるのは、親の過保護過干渉です。これは決して悪い行動ではありません。子供を愛するが故の行動ですから、誰も批難することはできません。
しかし、正しいとは言えません。
過保護過干渉の先にあるものは何か、それが目の輝きを失うということです。もう少し具謡的な表現をすると、
「どうせ、僕にはできっこない」
このような言葉になります。あきらめの境地とでもいうんでしょうか。現代っ子はチャレンジ精神や主体性が欠けているといわれます。だからこそ企業もチャレンジ精神や主体性を強く求めているという背景があります。
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過保護過干渉というのは、その子のチャレンジを止めることと同義です。すなわちその子の成長を止めてしまう行動なのです。例えば下記の質問にいくつYesと言えますか?
- 園児の時から、包丁を持たせて料理をさせていた
- 園児の時から、のこぎりで木材を切る作業をやらせていた
- 5,6歳の時から、一人で駄菓子屋さんなどにいかせていた
- 排水溝の中を歩きたがる場合は、許可していた
- 木登りをしたいといった場合、許可していた
- 子供がやりたいといったことは、まずやらせるという姿勢である
いかがでしょうか。すべてYesと言えた方は、過保護過干渉ではありません。とても素晴らしい教育をされていると思います。
なぜそう言い切れるか、それは「子供を信頼している」表れです。いえ、上記をやられていない皆さんも、当然子供のことは信頼していると思います。でも、けがをさせたくない、何かあったらという不安に負けてしまっています。
子供が「○○をやりたい」といった時に、「ダメ、危ないから、前もそれでケガしたでしょ」このような言葉って、普通に使っていると思いますが、子供からしたら「僕にはできないのか、他の子はやっているのに、、、」と感じることでしょう。これを繰り返すと、子供は「どうせ無理」となります。
私が勤める会社にも、このような子供が過去何名もいました。これやってみようか!と言っても「いや、僕はいいや」という。なんだこの冷めた子は!と思い、いろいろ話すと、なんと人生経験が少ないというか、薄いというか。BBQもしたことがない、虫を触ったこともない、土いじりもしたことがない、川で遊んだこともない。自然体験などがほぼ皆無だったのです。当然行ったことはあるでしょうが、保護者が「汚れるからやめなさい」「危ないからよしなさい」といった結果でしょう。
このような子でも、「いいんだよ!失敗って案外楽しいよ、ケガしても死ななきゃOK!やってみようよ」と声をかけ続ければ少しずつ変わります。当然失敗しても、責めたりはNGですが。
2つ目は、学ぶ理由の誤った解釈
そして二つ目は、学ぶ理由の誤った解釈とさせていただきました。これだけだと意味不明だと思いますが、これも非常に重要な要素です。
皆さんに質問です。子どもからなんのために勉強するの?と聴かれたら何と答えますか?次を読み進める前に、自分なりの考えを今ここで、しっかりと描いてみてください。
いいでしょうか?想い描いた後にこの先を見てくださいね。
私は学ぶ理由を問われたら必ずこう答えます。
「人の役に立つためだよ」
以上(笑)ためた割には、シンプルですね。しかし、シンプルかどうかが大切なのではなく、大切なポイントは「利己」か「利他」かということです。
多くの方は学ぶ理由を問われると、「利己」に基づいた説明をされます。例えば、
- 「あなたが将来安定して暮らすため」
- 「あなたが幸せに生きるためよ」
当然このような言葉も正しい言葉です。ある意味で親が子供に望むのはこれと言っても間違いないでしょう。しかし、問題なのはこれを子供に伝えたところで、これが実現する可能性は限りなく低いということ。逆に「人の役に立つためだよ」と伝えたほうが、将来幸せに暮らすことができる可能性がグンと高まるのです。
それは何故なのか、解説をしていきます。
人がやる気をもって頑張れるのは、自分の欲望がかなうと思った時ですよね。わかりやすい例でいうと、「お菓子をもらえるなら頑張る!」大人で言うと、「素敵な異性とデートに行くために頑張る」「ボーナスをもらえるよう頑張る」こんなところでしょう。
自分が興味がないものを目の前にぶら下げられても走る気にはなりません。「砂利をたくさん上げるから、仕事頑張って!」と言われて、頑張る人がいたら尊敬します(笑)
さぁ、このことを踏まえ先ほどの言葉を見返してみましょう。
- 「安定のために勉強を頑張れ!」
- 「幸せのために勉強を頑張れ!」
ん~どうでしょうか。これでやる気になる子供がいたら、結構凄いです!というかちょっと問題です。人は欠けているものを埋めたいと思うもの。もし安定や幸せという言葉で頑張るのだとすると、今安定していない、今幸せではないというのと同義になります。でも実際はそういう子っていないですよね。子どもは安定しまくってます。お金はお父さんお母さんが持ってきてくれて、何も気にしたことがないでしょう。そして幸せも感じているはずです。大人と違い、幸せのための定義が少ないので、日常が幸せです。そうなるとこの言葉は本当に無意味になります。
しかし、どうでしょうか。勉強をする目的を「人の役に立つためだよ」というのは、子供にも効果が高いのです。それは人にはもともと利他の心というものが備わっていると言われるからです。
園児を見ているとわかります。誰かが泣いていたら、どうしたの?と自然と寄り添う姿は何度も目にしますし、誰かが困っていたら助けてあげる純粋な心を持っています。
そしてその行為を先生や親から感謝されたときの子供の表情以上に、素敵なものはないなと感じるほどです。子どもも心の底から、いや魂のレベルで喜びを感じているのかもしれません。
このように、「人の役に立つためだよ」という言葉は、人が生まれたときから持っている利他の心に訴える行為なのです。そのため子供の目が輝き、頑張ろう!となるわけです。具体的な例を一つ上げてみます。
ちょっとした会話例を見てみましょう。
子供:どうして勉強しなきゃいけないの?
先生:それは人の役に立つためだよ。君は将来なりたい職業はあるのかな?
子供:んー、お父さんがお医者さんだから僕もお医者さん
先生:そうか!それは素晴らしい仕事だね!
子供:(ニヤニヤ)
先生:だって想像してごらん。お医者さんになったら君はたくさんの人の命を救うことができるんだ。手術をして命を救ったら、その人の家族から君は何と言われるかな?
子供:ありがとうって言われる。
先生:そうだよね。何度も何度もありがとうって言われるよね。でもお医者さんになったら、何百人・何千人の人から「ありがとう」って言われるね!
子供:(笑顔で)うん、そうだね!
先生:そのためには、お医者さんが通う学校に行かなきゃいけない。だから今勉強しているんだよ。でも、たくさんの人からのありがとうのために頑張ろう!
このように言えば、子供の目は輝きます。信じてもらえないかもしれませんが、信じられないほど輝きます。上記も実際に私が子供と交わした言葉なのですが、子供の目がみるみる変わっていくのがよくわかりました。
逆にこの子に対して、「お医者さんになるとお給料がよくて、将来安心よ」と言っていたらどうでしょう。まぁ何事もなく終わりますよね。多分このことは皆さんご理解できるかと思います。
つまり、利己的な言い方がダメと言いたいのではなく、利他的な言い方をしたほうが子供の目は輝くということです。難しいことではありませんので、ぜひ実践してみてください。
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【まとめ】子供の目が輝き、主体性を育む方法
以上が子供の目を輝かせ、主体性を育む方法となります。
主体性とは「自らテーマを持ち、自ら行動する事」です。社会で求められる人材像と照らし合わせてもピッタリでしょう。指示待ち人間にするのか、積極的な人間にするのかはちょっとした接し方次第です。正しい接し方を理解し、子供の能力を引き出していきましょう!
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